暗闇をデザイン
2025-10-21 09:27:55

暗闇と共存する公共デザインの新境地を拓く取り組み

暗闇をデザインする新しいアプローチ


東京都墨田区における新たな取り組みが、公共空間における夜の景観を一変させる可能性を秘めています。このプロジェクトは、墨田区、株式会社humorous、千葉大学環境デザイン研究室の三者が連携し、荒川四ツ木橋緑地で実施されています。目指すのは、電力を使わずに蓄光素材を利用することで、夜間の魅力的で安全な空間を生み出すことです。

背景と必要性


日本には13,935の河川が存在し、河川敷は国土の重要な部分を占めています。しかし、これらの空間は照明が乏しく、特に東京都の荒川下流域にある四ツ木橋緑地では夜間照明が届かず、利用者にとって不安な存在となっています。驚くことに、夜間にも利用者が存在しており、ジョギングや散歩を楽しむ人々がいますが、電力供給や維持管理のコストから、照明インフラの整備には限界があります。

大規模な照明系統を完備することが難しいため、暗闇をデザインする新しい発想が求められています。照明を使わずに、どのようにして安全で魅力的な空間を作り出すかが課題となっています。

蓄光素材の役割


本プロジェクトでは、「暗闇を排除せず共存する」という理念のもと、蓄光による“認知できる暗闇”を創出することがポイントです。これにより、来訪者の動線を安全に確保しつつ、ほんのりと発光するサインで安心感を提供します。

設置されるユニットは、円形エスコートユニットと大型案内サインの2種類で構成され、計40か所にわたります。日中には園内の情報提供を行い、夜間には光を発して利用者を導きます。また、再剥離可能な特殊フィルムを取り入れることで、管理者が必要に応じて臨時情報を発信できる柔軟性も備えています。

新しい空間体験の創出


このプロジェクトでは、光の量を補填するのではなく、暗闇そのものをデザイン要素として捉えています。ユニットの配置と輝度のバランスを工夫することで、昼と夜の連続的な変化を体感できる空間を演出しています。また、「こんにちは」「おやすみなさい」「お気をつけて」といった時間帯に応じたメッセージが利用者に寄り添う体験を創出しています。

千葉大学環境デザイン研究室の協力を得て、季節や時間に応じた体験設計を行い、利用者に安心で魅力的な空間を提供します。

公共空間における新モデルの構築


この取り組みは、墨田区が進めているスタートアップ連携施策の一環として実施されており、暗闇に対する意識を変える大きな一歩です。暗闇はこれまで「危険」や「不安」とされてきましたが、デザインを用いることで都市の夜の価値が再認識されることが期待されています。

最終的には、この高輝度蓄光技術を応用し、全国の公共空間に展開することで、安全で魅力的な夜間環境の整備を進めていくことを目指しています。プロジェクトの成果を通じて、暗闇を再評価し、生活に身近な存在にしていくことが期待されます。その実証実験は2025年まで続き、将来的には新たな公共空間デザインの確立へとつながることでしょう。

まとめ


墨田区でのこの先駆的な取り組みは、暗闇をただ恐れるのではなく、共存し活かしていくことを目的としており、多くの地方自治体でも応用が期待されています。この新しいアプローチは、我々の生活の中の空間デザインのあり方を根本から変える可能性があるのです。


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会社情報

会社名
株式会社humorous
住所
東京都目黒区
電話番号

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