エイブリックが新型パワーマネジメントICを発表
エイブリック株式会社(以下、ABLIC)は、車載用カメラモジュールに最適なパワーマネジメントIC(PMIC)「S-19560Bシリーズ」をリリースしました。この新製品は、16V動作・3チャネル出力型で、特にコンパクトな設計が特徴です。カメラモジュールの性能向上に貢献するこのPMICは、業界最小の実装面積を実現しており、競合製品と比較して約20%のスペース削減を可能にしました。
小型パッケージでの最適化
新しい「S-19560Bシリーズ」は、2.0×3.0×t0.5mmの超小型パッケージ「HSNT-8(2030)」を採用しています。この設計により、3チャネル出力を持ちながらも必要な外付け部品を最小限に抑えられるため、カメラモジュールにおける基板の省スペース化を実現しています。競合製品では、このサイズでの構成は難しく、ABLICは革新をもたらしました。
特に、外付けのLDO(リニア・ドロップアウトレギュレータ)を追加することで、発熱の分散が可能となり、カメラモジュールの性能向上にも寄与しています。CMOSイメージセンサ(CIS)への電源供給が安定することから、より高精度な映像処理が期待できます。
使いやすさの追求
このPMICの魅力は、特に初期設定の手間を省く点にあります。出力電圧や起動シーケンスはあらかじめ設定されて出荷されるため、電源投入時に特別なイニシャライズ操作を必要としません。シンプルな構成でカメラモジュール向けの電源が構成できることは、多くの開発者にとって大きなメリットとなるでしょう。
耐久性と信頼性
「S-19560Bシリーズ」は、AEC(Automotive Electronics Council)の品質基準に準拠した試験に合格し、自動車業界での使用に耐える高い信頼性を誇ります。特に、三温度テストを行い、厳しい環境下でも動作することが確認されています。
仕様一覧
- - 入力電圧: 4.0 V ~ 16 V
- - 出力電圧:
- Ch1(DC-DC): 3.3V ~ 5.0V
- Ch2(DC-DC): 0.9V ~ 3.0V
- Ch3(LDO): 0.9V ~ 3.3V
- Ch1(DC-DC): 600mA
- Ch2(DC-DC): 700mA
- Ch3(LDO): 300mA
用途例
この新しいPMICは、ビューイングカメラやセンシングカメラ、ドライブレコーダー、ドライバモニタリングシステムといった多様なアプリケーションに対応しています。今後もADAS(先進運転支援システム)や自動運転システムの普及に伴い、車載カメラの需要が増加する中で、エイブリックの「S-19560Bシリーズ」は、その課題解決に寄与するでしょう。
品質と性能を兼ね備えたこの新製品は、環境貢献に優れた「グリーンプロダクツ」にも認定されています。詳しい情報は、公式ウェブサイトをご覧ください。
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まとめ
「S-19560Bシリーズ」は、車載カメラ向けに特化した新しいPMICとして、今後の自動車技術革新に大きく寄与することが期待されます。エイブリックは、これからもより良い製品をご提供し続けることでしょう。