着物の普段使い促進イベントが滋賀県八幡堀で開催
持続可能な社会の実現を目指す活動が注目を集めています。特に、日本の伝統的な衣装である着物がサステナブルファッションとして再注目されている中、立命館大学経済学部の寺脇拓教授が率いるゼミ生たちは、着物の普段使いを促進するイベント「八幡キモノコレクション」を2024年11月16日に滋賀県近江八幡市の八幡堀で開催しました。
ESDの背景と目的
このイベントは、ESD(Education for Sustainable Development)を通じて持続可能な開発の重要性を伝えるとともに、着物の需要を高めることを目指しています。寺脇教授のゼミでは、環境に配慮した古着の利用がファッション産業の環境負荷を軽減するとの研究結果をもとに、着物の普段使いに関する調査を行っています。今回は、特にリーズナブルなアンティーク及びリサイクル着物に焦点を当て、ESDが人々の着物に対する支払意思額や利用頻度に与える影響を計測しました。
イベントの詳細と参加者
当日は、学生たちが着物姿で参加し、人々に着物を普段使いするイメージを持ってもらうため、さまざまな企画を用意しました。着物交換会やアンケート調査を実施し、その結果約209件の回答を得ました。また、会場には100人以上の参加者が集まり、盛況のうちにイベントは進行しました。
八幡堀の美しい景観
八幡堀周辺は、着物姿が映える多くのスポットがあります。旧吉田邸や白雲館、明治橋など、七つのロケ地で調査とともに、参加者は着物の魅力を楽しみました。また、着物姿で地域の協力店舗を訪れると特典が得られるなど、地域全体で着物を楽しむ文化を促進しました。
調査結果と分析
イベントの後、得られたデータの分析結果として、着物を普段着として利用する頻度がESDの実施前後で有意に上昇していることが分かりました。具体的には、普段着としての着物の着用頻度は環境情報提供前が平均1.78回だったのに対し、提供後は2.65回に増加しました。また、支払意思額もESD前は10,251円から、ESD後には11,443円に上昇。着物の普段使いに対する理解と関心が高まっていることが数値として示されています。
クラウドファンディングの実施
このプロジェクトには資金が必要であり、クラウドファンディングの「CAMPFIRE」を活用して資金集めも行っています。その募集は2024年11月2日から12月15日まで行われ、目標金額は25万円です。集まった資金は今後の研究活動やイベントの運営に活用される予定です。
結論
着物の普段使いを促すこの活動は、環境保護だけでなく、日本の文化である着物を再評価するきっかけにもなっています。今後もさらなるデータ収集を行い、着物の利用を促進するための具体的なアプローチを探る予定です。京都でもアンケート調査を行い、着物が多くの人に親しまれる社会の実現に向けて活動を続けていきます。
寺脇拓ゼミの目指すもの
寺脇ゼミの取り組みは、持続可能な社会に向けた学問的アプローチを実践する重要な活動であり、学生たちの力強い行動が地域や文化を活性化させています。今後の活動にぜひ注目してください。