加藤財務大臣、相互関税問題と為替政策を強調した記者会見

加藤財務大臣と内閣府特命担当大臣は、令和7年4月11日に行われた閣議後の記者会見において、米国による関税措置とそれに対する日本の立場について詳細に説明しました。大臣は、相互関税の発動を90日間停止するアメリカの姿勢に対して、基本的には日本政府としての懸念を表明し、必要な対策を講じていく考えを示しました。

記者からの質問に対して、加藤大臣はまず、米国の関税措置に関する総合対策本部の設置を強調。これは、総理からの指示を受けての決定であり、各省庁が協力して十分な対応を行う姿勢を強調しました。特に、米国からの一律10％の関税や鉄鋼・アルミニウムに関する措置についても、日本側が継続して見直しを要望していく必要があると述べました。

為替に関しては、これまでの経緯を踏まえた上で、米国と緊密な協議を行い、市場における為替レートの安定を重要視する姿勢を示しました。加藤大臣は、1月に実施された米国のベッセント長官とのビデオ会談の際にも、この問題についての認識を共有し、今後も積極的に意思疎通を図る意向を示しています。

また、カナダとも電話会談を行い、米国の関税政策における懸念や対応の共有がなされ、グローバルな金融市場の安定を維持するために、両国が連携していく重要性が確認されました。加藤大臣は、引き続きG7での意見交換を通じて、各国と協力体制を強化していく考えを示しました。

さらに、記者からは、与党が食料品を念頭に消費税の減税を検討しているとの報道についての意見も求められました。これに対しては、「与党からの具体的な決定を承知していない」とし、現時点では総理が国会で答弁している通り、消費税の引き下げは適切ではないとの見解を繰り返しました。

加藤大臣は、赤澤大臣が間もなく訪米するという報道に対しても、その詳細は赤澤大臣自身に確認してほしいとしつつ、自身のG20出席に向けた調整が進んでおり、その際には米国を含む他国との意見交換も行う意向を改めて強調しました。

この記者会見では、加藤大臣が日本の立場を堅持しつつ、国際的な連携を強化していく姿勢が明確に表れました。今後の国際情勢及び政策動向に注意を払いながら、日本が直面する課題に対する解決策が求められる状況にあります。