有料動画配信サービスの進化と影響
近年、動画配信サービス(VOD)の黎明期から着実な進化を遂げてきました。最新の調査からは、VODの利用率が16.8%に上昇し、DVDやブルーレイの購入(18.7%)に図らずも迫る状況が浮かび上がっています。特に、Amazonプライム・ビデオがVOD市場の約四割を占めるなど、成長を急速に進めています。
VOD利用者の実態
調査結果によると、さまざまな動画配信モデルにおける認知度に差が見られました。定額制の動画配信サービス(SVOD)に関しては、36.4%の人々がその存在を知っていると回答し、前年に比べて認知度が上昇しました。さらに、「なんとなく知っている」を含めると、全体の73.6%と大多数の人がSVODを意識していることが分かりました。しかし、レンタル型動画配信サービス(TVOD)やデジタルデータ動画販売サービス(EST)は、認知度が24%程度にとどまっており、依然としてSVODに対する関心が高いことが明らかになりました。
利用率の比較
有料動画配信サービスの利用率については、全回答者中でVODのどの仕組みかを使用した割合が16.8%という結果に。映画館が42.6%、DVD・ブルーレイのレンタルが27.7%、DVD・ブルーレイの購入が18.7%と、これらと比較するとVODの利用率はまだまだ低い状況です。特に、映画館利用との間には大きな開きがあり、今後のVODの成長余地が期待されます。
Amazonプライム・ビデオの影響
VOD利用者の内訳をみると、SVODのみを利用する人が53.6%、TVODのみが8.6%、併用層が37.8%というデータが示されています。結果的に、VOD利用者全体の91.4%がSVODを利用していることになり、この傾向は今後も続くでしょう。特に、Amazonプライム・ビデオが4割を超える利用率を記録し、競合であるHuluやNetflixを大きく引き離しています。Huluは15.0%、Netflixは11.3%で追随していますが、Amazonの強さは際立っています。
認知度と競争の行方
Huluでさえも、前年に比べて5.2ポイントの伸びを見せ、認知は45.9%となりましたが、Amazonはさらにその上を行っているのが現状です。これに続くNetflixは20.9%から27.3%へと伸びを見せる一方、dTVやU-NEXTも微増傾向にあります。特に、今回初めて選択肢に加えられたDAZNも6.4%の利用率を獲得し、今後の成長が注目されます。
まとめ
この調査から見えてくるのは、動画配信市場が急成長しており、利用者の嗜好が変化しているという事実です。特に、Amazonプライム・ビデオの存在感は際立っており、今後の動画配信シーンに大きな影響を及ぼすことが期待されます。これからの市場動向に注目していく必要があるでしょう。
【調査概要】
- - 調査目的:有料動画配信サービス利用者の利用実態の把握
- - 調査期間:2018年6月29日~7月3日
- - 調査対象者:13~69歳の男女
- - 調査方法:インターネットアンケート調査
- - 集計サンプル数:7,042人
- - 調査企画:株式会社フィールドワークス/映像メディア総合研究所
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