株式会社ソラコムの実践事例
株式会社ソラコムが、福島県いわき市で行った導入事例を紹介します。この事例では、廃棄物処理を手掛ける株式会社クレハ環境が、既存の工場設備を後付けでIoT化し、工業用水の遠隔監視を実現しました。これにより、長年の課題であった水圧低下の解消や、検針作業の効率化に成功しました。
課題だった工業用水の水圧低下
クレハ環境の工場では、工業用水の圧力低下がしばしば発生し、その結果、大型機器の安定した運転に影響を及ぼしていました。問題を解決するには、工場内部に散在する計器からのデータを定期的に収集し、水の利用状況を把握する必要がありました。しかし、従来の分散制御システム(DCS)は、ネットワークケーブルの敷設を要し、新たな機器を追加する際に工事が必要という厄介な側面がありました。このため、既存の設備を大きく改修することなく、効果的にデータを集める仕組みが求められていたのです。
SORACOMを用いた後付けIoTの実現
そこで、クレハ環境では、SORACOM IoT SIMを活用して後付けのIoTシステムを構築しました。これにより、有線ケーブルの設置を最小限に抑えつつ、工場内に設置された各種計器のデータを収集することが可能になりました。さらに、データ蓄積からダッシュボードの開発、リアルタイムデータの可視化に至るまで、SORACOMのサービスのみを活用し、化学工学を専門とする設備担当者が中心となって、構想からわずか10ヶ月で遠隔監視システムを完成させました。
このように、既存の設備を大規模に改修することなく、必要な場所にIoTを後付けで導入できるため、データ収集の拡張に対しても柔軟に対応できる環境が整いました。
低コストで構築されたシステム
導入の初期段階では、14台の機器を接続し、導入コストは約40万円、運用コストは毎月数千円という低コストで実現しました。また、最小限の改造を行うことで、遠隔監視環境をスムーズに構築することができました。このシステムの導入によって、監視業務が効率化されるだけでなく、工業用水の利用状況をデータで「見える化」することが実現でき、水バランスの最適化にもつながりました。特に、水圧低下の問題が解消されただけでなく、運転員が常に巡回する必要のあった検針作業も大幅に削減されました。
今後の展望
今回の取り組みでは、工業用水の監視が実現しただけではなく、今後は電力使用量、空調管理、漏水検知など、さまざまな工場内の運用においてもIoTの導入が計画されています。このアプローチにより、徐々にデータを活用した設備管理の高度化が進められています。データ収集を行うことで、工場全体の効率化へとつなげることができるのです。
まとめ
クレハ環境の事例は、既存の設備を効果的に活用しつつ、後付けで取得するデータをもとに段階的に管理を進化させていく方法を示しています。これにより、将来的な設備管理の高度化につながる可能性があるため、今後の進展が非常に楽しみです。詳細につきましては、
IoT USECASE/SORACOM導入事例のウェブサイトをご覧ください。