軽井沢町の観光客増加に対応!タクシー供給強化プロジェクト始動
長野県軽井沢町は、観光客増加による交通課題解決の一環として、官民連携による『軽井沢タクシー供給強化プロジェクト』を2024年2月に開始しました。本プロジェクトは、軽井沢町、軽井沢タクシー協会、軽井沢町商工会、軽井沢観光協会、軽井沢ホテル旅館組合、GO株式会社の6者で構成され、タクシーアプリ導入、日本版ライドシェア、周辺地域からのタクシー応援隊派遣といった複合的な施策を展開しています。
3つの柱で観光客の移動課題を解決
軽井沢町では、特に春の大型連休、夏季期間、紅葉シーズンなど、観光客増加に伴い、タクシー需要が集中し、観光客だけでなく地域住民も移動手段確保に苦労していました。一方、地元タクシー事業者ではドライバー不足、需要変動による車両台数調整の難しさなど課題を抱えていました。
そこで、官民連携で立ち上がった『軽井沢タクシー供給強化プロジェクト』は、以下の3つの柱を軸に、地域交通の担い手と移動手段の確保を目指しています。
1. タクシーアプリ『GO』導入
2024年3月から、軽井沢町の全タクシー事業者にタクシーアプリ『GO』が導入されました。都市圏からの観光客が使い慣れたアプリでタクシーを呼べるようになり、さらに1台あたりの生産性向上にもつながっています。
2. 日本版ライドシェアの活用
2024年4月からは、地元タクシー事業者による日本版ライドシェア(自家用車活用事業)が開始されました。一般ドライバーの採用と自家用車や遊休車両の活用により、需要が集中する時間帯にタクシー車両に加えてライドシェア車両を稼働させ、車両供給力を強化しています。
3. 周辺地域からのタクシー応援隊派遣
年間を通して最も需要が高まる夏季シーズンには、長野県タクシー協会の協力のもと、周辺地域からタクシー車両と乗務員を派遣する応援隊を編成しました。2024年7月12日から9月27日までの間、佐久交通圏の3社11台が、週末やピーク時間帯に軽井沢町内で稼働し、アプリからの注文に対応しました。
プロジェクトの成果:タクシー供給量の改善
これらの施策により、観光シーズンのタクシー需要増加に対応し、車両供給量の確保が実現しました。特に、お盆期間のピーク時間帯(夕方16時台)では、地元タクシー車両に加えてライドシェア車両と応援隊車両が稼働したことで、稼働台数が昨年比31.3%増加(25台増)しました。ライドシェア車両と応援隊車両は、全実車数の約4割をカバーする日もあり、観光客のラストワンマイル移動手段として大きな貢献を果たしています。
また、需要予測に基づいた車両数とシフトの調整により、アプリからのタクシー利用におけるマッチング率はプロジェクト期間を通じて概ね80%以上の水準を維持しています。
今後の展望:データ分析に基づいた課題解決
今期の取り組みでは、需要予測の精度向上、繁忙期に対応した人材確保、さらにはお盆期間の交通渋滞など、課題も見えてきました。
今後の課題解決に向けて、データ分析に基づいた改善を続け、観光客と地域住民の移動手段確保に貢献していく予定です。
軽井沢町では、今後も関係各機関と連携し、観光客の満足度向上と地域経済活性化を目指した取り組みを継続していきます。