アセットマネジメントOneの新たな議決権行使ガイドライン
アセットマネジメントOne株式会社は、2025年4月から適用される新しい議決権行使ガイドラインを発表しました。本ガイドラインの改定は、会社の中長期的なスチュワードシップ活動をさらに強化することを目的としています。改定の主要なポイントについて掘り下げていきましょう。
1. 中長期スチュワードシップ活動の強化
改定後のガイドラインでは、中長期的な視点に基づくスチュワードシップ活動が強調されています。特に、指名・報酬委員会の設置が明記され、企業のガバナンスの透明性が求められています。これは、取締役や経営陣の選出、報酬に関する客観的な判断基準を確立するための重要な施策です。2026年度にはこの項目を議案判断基準に組み込むことを予定しています。
エンゲージメントのエスカレーションについても重要です。企業価値に大きな影響を与えるESG課題への取り組みが不十分な場合、経営陣との面談が成立しなければ、関連する取締役の選任議案に対して反対する可能性が具体的に示されました。この強化された基準は、企業に対する重要な警告となるでしょう。
2. 買収防衛策の見直し
今回の改定では、買収防衛策についても重要な変更が加わりました。一部例外を廃止し、原則として反対する方向性が示されています。また、有事型の買収防衛策については、株主総会での承認を必要とすることが明記されており、企業価値の向上策や自らの属性情報の公開を求める姿勢が明快に示されています。これにより、企業の透明性と適切なガバナンスを求める圧力が増すことが期待されます。
3. 剰余金処分の基準見直し
近年、企業が資本効率改善に向けた事業構造改革や、株主還元の強化に取り組んでいる様子が見受けられます。このような環境に応じて、過剰配当と判断する基準が見直されることとなりました。これにより、より一層の株主還元を促進する企業活動が期待されます。
4. 議決権行使運営の実情を反映
ガイドライン改定にあたっては、実際の議決権行使運営の現状も反映させるため、一部文言も変更が行われています。また、投資先企業には「株主総会招集通知の記載に関するお願い」が付記され、透明性あるコミュニケーションが求められています。
5. 海外および不動産投資信託におけるガイドライン
国内株式のガイドライン変更と同様に、不動産投資信託や外国株式においても、整合性を保つための文言変更が行われました。これにより、統一的な後退基準が適用されることが期待されています。
結論
アセットマネジメントOneの新しい議決権行使ガイドラインは、企業ガバナンスの質の向上を目指す重要な一歩です。ESGへの対応や株主還元の強化が求められる現在、これらの改定が実際の企業活動にどう影響するか、今後の動向が注目されます。詳細なガイドラインについては、アセットマネジメントOneの公式ウェブサイトで確認できます。