魚沼産コシヒカリを使った新たな挑戦
新潟県十日町市に位置する池谷・入山集落で、斬新な棚田オーナー制度が発表されました。これは、地元で生産された魚沼産コシヒカリ「山清水米」を素材とし、日本酒とクラフトビールの製造に参加することができる制度です。2025年9月からスタートするこの取り組みは、都市部に居住する方々が農業体験をしながら、地域の特色を活かした酒を楽しむ機会を提供するものです。
有機的な都市と農村の交流
このプロジェクトは、農林水産省によって「つなぐ棚田遺産」に認定された池谷・入山集落の棚田を背景にしており、都市と農村が協力・交流することで、地域の活性化を図ろうとするものです。過去に「限界集落」と呼ばれていたこの地域は、若い移住者の受け入れや子どもの出生率の増加を通じて、現在ではすっかりその名を返上しています。地域おこし団体であるNPO法人地域おこしは、その先頭に立ち、農業体験を通じて都市住民とのもたらす新しいつながりを築こうとしているのです。
自慢の魚沼産コシヒカリ
魚沼産コシヒカリは、その特徴的な甘味と風味で多くの人々に愛されています。冬の厳しい寒さと春の穏やかな気候が、この米の味を一層引き立てています。棚田オーナー制度を通じて、参加者はお米の成長を見守り、自らの手で収穫する喜びを味わうことができます。また、自分の手で育てた米を原料に作られた酒を味わえるという体験は、贈り物としても素晴らしい価値を生み出します。
酒類オーナー制度の魅力
酒類オーナー制度では、オーナーの皆様が参加できる田植えや稲刈りといった体験型イベントが用意されています。収穫後、オーナーには自らの育てたお米で造られた日本酒やクラフトビールが届けられます。オーナーとしての特典も充実しており、農産物や特産品のプレゼント、無料での作業体験、さらには酒造りの見学まで楽しむことができます。
選べるコースと地域の特産
参加者は、異なる価格帯のコースから選ぶことができ、日本酒やクラフトビールをそれぞれ楽しんでいただけます。たとえば、日本酒720mlの12本セットは66,000円(税込み)、クラフトビール330mlの12本セットは16,500円(税込み)で提供されます。
この制度は、池谷・入山集落の魅力を広めるだけでなく、新しい地域社会の形成へとつながります。都市部の人々が、農村の生活の一部に関与することによって、互いに学び合い、共に成長することが期待されています。
地域おこし団体の活動
NPO法人地域おこしは、2004年の中越地震をきっかけに発足し、地域の自立と活性化を目指して活動しています。限界集落とされた地域の存続を目指し、様々な取り組みに取り組んでいます。今後も地域の農業を支える人々を増やし、地域循環型の社会を構築することを目指しています。
この新しい棚田オーナー制度が、多くの都市住民と地域住民をつなぎ、新しい未来への架け橋となることを願っています。