ロック史最大の謎に迫る!伝説のバンド「ブラッド・スウェット&ティアーズ」の真実
1960年代後半、アメリカで一世を風靡したロックバンド「ブラッド・スウェット&ティアーズ」。その人気絶頂期に突如として姿を消した彼らは、ロック史最大の謎のひとつとして語り継がれてきた。なぜ彼らは活動を停止し、その後消息不明になったのか?その真相に迫るドキュメンタリー映画『ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?』が、2024年9月27日(金)より日本公開される。
鉄のカーテンの向こう側で何が起きたのか?
本作は、50年以上秘蔵されていた未公開フィルムや写真、関係者からの証言などを駆使し、当時の状況を克明に再現している。
東欧ツアーで撮影されたライブ映像は圧巻で、当時禁じられていたロックミュージックに熱狂する人々の姿は、現代においても深い感動を与える。また、ニクソン政権とヘンリー・キッシンジャー国務長官の間で交わされたアメリカ政府文書や、ルーマニアの秘密警察からのファイルなど、これまで明らかになっていなかった数々の機密データによって、ロック史のみならず、現代世界情勢にも繋がる分断の歴史が明らかになっていく。
壮大な音楽サスペンス・ドキュメンタリー
本作は、単なる音楽ドキュメンタリーにとどまらない。政治スリラー的な側面も持ち合わせており、バンドメンバーが東欧ツアーで体験した出来事を通して、冷戦時代の政治状況や、自由と抑圧、民主主義と独裁といった現代社会における重要なテーマが浮かび上がってくる。
彼らの運命を大きく変えた事件の真相、そして彼らが鉄のカーテンの向こう側で目撃してしまったものは一体何だったのか?
BS&Tファンはもちろん、70年代前後のロックファンなら必見の映画だ。
「ブラッド・スウェット&ティアーズ」の軌跡
「ブラッド・スウェット&ティアーズ」は、1967年にブルース・プロジェクトを脱退したアル・クーパー(vo, key)が中心となり結成されたバンド。ボビー・コロンビー(ds)、スティーヴ・カッツ(gt)と、ホーンセクションを従えた斬新なサウンドで、後にシカゴ、チェイス、タワー・オブ・パワーなど多くのホーン入りロックバンドの先駆けとなった。
1968年のデビューアルバム『子供は人類の父である』は全米TOP50ヒットを記録するが、直後にアルは脱退。その後、新ヴォーカルのデヴィッド・クレイトン・トーマスが加入し、1969年にリリースされたセカンドアルバム『血と汗と涙』は7週連続全米1位を獲得。第12回グラミー賞を受賞するなど、絶頂期を迎える。
しかし、その輝かしいキャリアは東欧ツアーを境に突然終焉を迎えてしまう。
監督:ジョン・シャインフェルド
本作の監督は、『ジョン・コルトレーン チェイシング・トレーン』(2016)、『PEACE BED アメリカVSジョン・レノン』(2006)など、数々の音楽ドキュメンタリー作品で知られるジョン・シャインフェルド。本作は、2024年の全米脚本家組合賞を受賞するなど、高い評価を得ている。
シャインフェルド監督は、本作について、「これは音楽愛好家やBS&Tファンのための作品だけではない。政治スリラーであり、そして驚くほど力強い共鳴と、今日世界で起こっていることとの類似性を持っている」とコメントしている。
伝説のバンドの真実と、現代社会への警鐘
『ブラッド・スウェット&ティアーズに何が起こったのか?』は、ロック史最大の謎に迫るだけでなく、現代社会における自由と抑圧、民主主義と独裁といったテーマについても深く考えさせられる作品となっている。
伝説のバンドの知られざる物語を通して、音楽史に残る衝撃的な事件の真相が明らかになる。