超高性能サーモグラフィ「Thermo HAWK H9300」の登場
日本アビオニクス株式会社が新しくリリースした「Thermo HAWK H9300」は、特に微小領域の熱解析に優れた性能を持つサーモグラフィです。この製品は、高解像度での温度分布表示を実現し、研究開発や故障解析の領域での課題解決に大きな影響を与えることが期待されています。
開発背景
近年、情報機器の進化が著しく、ワイヤレス化や電動化、高速通信による高機能化が進行しています。これらの変化に伴い、電子部品は軽量化や高密度化、省エネ化が求められています。そのため、微細なサイズや新しい機能の開発においては、熱による性能変化や部品の劣化状況を把握することが重要です。このようなニーズに応えるべく、Thermo HAWK H9300は、現行モデル「H9000」の上位機種として開発されました。
主な特長
Thermo HAWK H9300は、以下の特長を誇ります。
1. 高解像度
1280×1024画素のセンサが内蔵されており、クラス最高の性能を発揮します。さらに、マイクロスキャン機能により、最大2560×2048画素での熱画像を表示することが可能です。
2. 高分解能
オプションとして用意されている顕微鏡レンズは、最小1.3μmという空間分解能を実現しています。これにより、数百μmサイズの非常に小さな部品の細かな温度分布を正確に計測できます。
3. 高速収録
フルフレームでの収録が180Hzで、さらに高速モードを使用すると1.6KHzでの収録が可能です。この特性により、急峻な温度変化を迅速に捉え、分析することができます。
4. 広いダイナミックレンジ
この製品は、常温から高温までの温度変化を一度に測定することができ、デバイスの電源投入時に生じる大きな温度変化にも対応しています。
5. 充実したトリガ機能
外部からのパルス信号に同期した計測が可能で、様々なトリガの種類(温度、時間、任意)により、多様な収録方法を選択できます。
6. ロックイン計測
非常に微小な温度差を検知するロックイン計測が可能です。これにより、実装基板の隠れたリークやクラックを検出するシステムを構築できます。
製品仕様
基本性能として、検出器は「Insb(インジウムアンチモン)」を使用し、測定温度範囲は-10℃から1700℃です。温度精度も優れており、±1℃の精度を保持しています。
オプション
特に注目すべきは、1.3μm顕微鏡レンズのオプションです。このレンズを装備することで、より精密な温度測定が可能となります。主に高精度なデバイスの開発研究を行っている企業にとって、非常に有用なツールとなるでしょう。
まとめ
Thermo HAWK H9300は、微小領域の熱解析に最適なサーモグラフィです。日本アビオニクスの技術力を駆使したこの製品は、今後の研究開発分野において重要な役割を果たすと期待されています。新たなアプリケーションの開拓にも貢献し、業界の進化をリードしていくことでしょう。ぜひ、その優れた性能を体験してみてください。