北九州市における超狭小空間点検ドローンによる下水道管路の調査
2025年5月30日、岡野バルブ製造株式会社は、最新テクノロジーを駆使して下水道管路の点検を行う「全国特別重点調査」を北九州市内で行いました。これは、超狭小空間点検ドローン「IBIS2」を利用し、全国初となる取り組みです。この研究は、下水道インフラの老朽化への対策として、点検作業の効率化と確立を目指しています。
調査の背景
国土交通省のデータによると、全国の下水道管渠の総延長は約50万kmに達しますが、そのうちの約4万kmが標準耐用年数である50年を超えています。この老朽化が進む中で、特に埼玉県八潮市での道路陥没事故をきっかけとして、下水道管の緊急点検が求められています。この状況を受け、北九州市では市民の安全を守るために下水道管の点検体制を強化する必要があると認識していました。
超狭小空間点検ドローン「IBIS2」
岡野バルブ製造と提携技術を持つ株式会社Liberawareにより開発された「IBIS2」は、狭い管内でも容易に運用できる小型ドローンです。従来の調査法では、直径の大きい下水道管の点検には時間と費用がかかっていましたが、ドローンを使うことで効率的な検査が可能になりました。実際の調査では、直径2m以上で設置から30年以上が経過した管路のうち、約54kmが対象となり、初回の調査では直径2.7mの下水管を500mにわたってチェックしました。
調査の方法と成果
特に、今回の調査は人間が入れないような危険な場所を対象に行われました。ドローンは腐食状況やひび割れの確認をするために、管内の上部を映像で捉え、その映像から点検が進められました。ドローンが映し出す空間は、確実な点検を行う上で貴重な情報源となりました。
調査当日の様子は、ドローンの操縦風景や下水道内を飛行する姿が唯一無二の光景とも言えます。20cm四方のサイズのドローンを使用することで、従来の方法に比べて短時間で調査が終わることが確認されました。
今後の展望
この試みが成功することで、北九州市に限らず、全国の他の自治体でも同様の技術が導入されることが期待されています。今後の調査では、特に腐食が進んでいる場所を優先的に点検し、2025年度内に完了する予定です。
岡野バルブ製造は、伝統技術と最先端技術を融合させた「未来型ものづくり企業」としての成長を続けています。この取り組みが産業界全体へ波及し、地域密着型のインフラ保全策につながることを目指しています。
岡野バルブ製造の企業情報
会社名: 岡野バルブ製造株式会社
代表取締役社長: 岡野武治
所在地: 福岡県北九州市門司区中町1-14
創業: 1926年
事業内容: 高温高圧バルブの開発・製造・保守、工業プラント関連の各種工事、DXの実施・支援
ウェブサイト:
岡野バルブ製造
市民が安全で安心して暮らせる環境を整えるため、今後も点検・維持・補修業務を着実に改善し続ける必要があります。これからの取り組みに注目です。