森永乳業、IDF World Dairy Summit 2025で受賞
森永乳業が、2025年10月にチリ・サンティアゴにて行われた「IDF World Dairy Summit 2025」で、権威ある「ベストポスター賞」を受賞しました。同社は50年以上にわたり、健康効果が期待されるビフィズス菌についての研究を進めており、今回の受賞はその成果の一つです。
IDF World Dairy Summit 2025の概要
国際酪農連盟(IDF)は、乳業や酪農に関する科学技術の問題を解決するための国際的な団体であり、ベルギーのブリュッセルを本部に持っています。毎年開催されるこのサミットは、世界中から乳業関係者が集まり、業界の課題を議論し、情報を交換する貴重な場です。2025年のサミットは、南米で初開催され、48カ国から1,090人以上の参加者が集まりました。
賞の概要と期待
受賞部門である「乳製品加工技術」は、乳製品の加工や保存、包装に関する科学的なテーマを扱っており、革新的な進展が評価されています。今回の受賞は、その中で特に優れた成果として認められたものであり、ビフィズス菌を用いた新たな技術の発展に期待が寄せられています。
受賞内容の詳細
研究概要
田中愛美さんが発表した研究は、ビフィズス菌BB536の酸素濃度に対する反応を明らかにしたものです。この菌は、腸内環境の改善やアレルギー症状の緩和など、多くの健康効果が確認されていますが、その利用には様々な技術的課題が存在します。
研究成果
研究の結果、容器のヘッドスペースの酸素濃度を低下させることで、ビフィズス菌BB536の失活を抑えられることが示されました。具体的には、菌の数が従来と比べ大幅に向上し、味や食感が改善されることが確認されたのです。この技術は、ヨーグルトの賞味期限を延長し、食品ロス削減に貢献する可能性があります。さらに、質の高いビフィズス菌入りのヨーグルト製品の開発に向けた新たな展望も開けるでしょう。
未来への貢献
森永乳業は、今回の研究成果をもとに、さらなる商品開発に取り組んでいく意向を示しています。健康志向の消費者にとって、質の高いヨーグルトの提供が実現すれば、より多くの人々の健康をサポートし、持続可能な社会の実現に向けた取り組みも進むことでしょう。これからの森永乳業の動きに、ますます目が離せません。