大腸癌患者向け新たな診断薬が厚生労働省に承認

大腸癌患者向け新たな診断薬が承認されました



2025年9月12日、アジレント・テクノロジー株式会社は、MMR IHC Panel pharmDx「ダコ Omnis」が大腸癌患者に対するオプジーボ(一般名:ニボルマブ)用のコンパニオン診断薬として、厚生労働省から承認を受けたと発表しました。この新たな診断薬は、オプジーボとヤーボイ(一般名:イピリムマブ)を併用する治療法において、治癒切除不能な進行・再発の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-High)を有する結腸・直腸がん患者の診断を目的としています。

MMR IHC Panel pharmDx「ダコ Omnis」は、MLH1、PMS2、MSH2、MSH6の4種類のMMR一次抗体を含む製品であり、これによりDNA修復に関与する重要なタンパク質の機能を評価することが可能です。MMR(ミスマッチ修復)タンパク質は、DNAの正確性を保つ役割を果たしており、この機能が欠損することで癌が発生するリスクが高まることが知られています。

この診断薬の登場は、特にdMMR(ミスマッチ修復機能欠損)を持つ大腸癌患者にとって重要な意味を持ちます。dMMRの癌では、免疫機能による攻撃が高頻度で認められ、その結果として免疫療法が有効である可能性が示唆されています。MMR IHC Panel pharmDx「ダコ Omnis」は、ダコ Omnis装置上で全自動免疫組織化学染色(IHC)アッセイとして使用され、検査の精度と効率化を実現します。

アジレントのAPAC Sales部門担当バイスプレジデント、Bhardwaj Bharat氏は「この承認により、医師はdMMR大腸癌患者の治療方針を決定するためのより良い情報を得られるようになります」と述べています。この診断薬は、アジレントとブリストル マイヤーズ スクイブが協力して開発したものであり、免疫療法の恩恵を受ける患者を特定するための重要な手段となります。

アジレント・テクノロジーは、分析ラボや臨床検査室向けテクノロジーのグローバルリーダーとして、科学の知恵を人々の生活と生命に結びつけるための様々なソリューションを提供しています。2024年度の売上高は約65億1000万米ドル、従業員数は全世界で18,000人を超えています。

今後、アジレントは日本国内における新たなコンパニオン診断薬の開発や製品の拡充を通じて、病理診断の精度向上とワークフローの効率化を図っていくことを目指しています。

この新たな診断薬の承認は、癌治療の進歩における重要なステップであり、今後の患者への影響が期待されます。

会社情報

会社名
アジレント・テクノロジー株式会社
住所
東京都八王子市高倉町9-1
電話番号
042-660-3111

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