枚方市に新たな特産品が誕生!
近畿大学発のベンチャー企業、株式会社POIが、生まれ故郷の自然を活かした新しいお菓子を開発しました。その材料として注目されたのは、枚方市で採れる「クマゼミ」です。大阪府枚方市は全国的に有名な特産品がないという課題を抱えており、POIはこの特産品開発を通じて地域の魅力を再発見しようとしています。
枚方の特産品開発の背景
日本の多くの地域が特産品を持つ中、枚方市はその名物に乏しい土地柄。歴史的には江戸時代からの宿場町として賑わっていたものの、現代においてはベッドタウンとしてのイメージが強く、国民的認知度の低さが問題とされていました。そんな地域の活性化を図るため、株式会社POIは従来の枠に囚われない特産品の開発に取り組むことを決定。
クマゼミとの出会い
POIの開発にあたっての重要なヒントは、枚方市のクマゼミでした。昆虫食に関心を持つチームは、クマゼミを使用することにし、新たな価値を見出そうとしました。セミは自然の中で植物の樹液を吸い成長し、ナッツのような味を持つと言われています。実際に、羽化したばかりのセミの食べ比べイベントを開催したところ、参加した子どもたちにも好評を得ることができました。
食材としてのクマゼミ
昆虫食ファンの間ではクマゼミが注目されており、その理由には高いタンパク質含量や独特の風味があります。さらに、POIはクマゼミを使った商品の成分解析も行いました。驚くことに、鶏肉や大豆よりも多くのアミノ酸を含むことが確認されたのです。このことからも、クマゼミが持つ食品としての潜在能力が示されました。
商品化への道のり
現在、開発された商品は主に幼虫と羽化したての成虫の2種類。特に羽化したてのセミを使用した製品は日本市場において非常に珍しく、POIの手法による「燻製風」に加工されています。この生成方法によって、ナッツのような風味と共にセミの旨味が引き立てられ、食べ応えのある旨味の成分が多く含まれています。
ECサイトでの販売
開発された新たな特産物は、株式会社POIのECサイト「かずきの昆虫食博覧会」で購入可能です。売上数は限られているものの、枚方産のクマゼミに加え、ほかの昆虫商品も取り扱っています。
開発者の想い
POIの代表取締役、清水 和輝さんは次のように語っています。「日本にいるとはいえ、セミを食べる文化はあまり根付いていません。しかし、この試みが地域資源に新たな視点を提供し、皆がその魅力を再認識できるきっかけになればと思っています。」
未来への可能性
新しい特産品の誕生が、地域の愛着を育む鍵となることを期待しています。枚方市の自然が生み出したクマゼミを通じて、地域の新たな魅力を感じてみてはいかがでしょうか。次の夏には、皆さんもセミを一緒に採取し、その美味しさを体感してみることをお勧めします!