ダイカスト業界初!ファインバブルを活用した革新技術
ダイカストは、非鉄金属の合金を精密に型に流し込むことで高精度な鋳物を大量に生産する方法です。このプロセスには、「離型剤」と呼ばれる薬剤が必要不可欠ですが、従来の離型剤は腐敗による強いニオイが問題となっていました。そこで、株式会社TKSとエーケーダイカスト工業所は、ファインバブルを活用した新しい離型剤希釈装置を共同開発しました。
離型剤希釈装置の新しい取り組み
新たに開発されたアダプターは、このファインバブル技術を利用して離型剤を水で希釈する装置に設置されます。これにより、離型剤の臭気問題が大幅に低減され、労働環境が向上する効果が期待されています。特に、従来は年に3回必要だった清掃が、年1回にまで減少する成果を上げています。
この技術は、11月14日から16日にかけて横浜で開催される『2024 日本ダイカスト会議・展示会』で初披露されます。業界関係者からの反応を受けて、発売日や価格も決定される予定です。
社会的背景とダイカスト技術
ダイカストは、自動車や冷蔵庫、パソコンなど幅広い製品に利用される重要な製造方法ですが、使用される離型剤は油分が多く含まれ、希釈後は腐敗しやすいという特性を持っています。この腐敗が、特に夏場には強烈なニオイを発生させ、製造現場では大きなストレスの原因となっています。
エーケーダイカスト工業所では5年前から株式会社TKSのファインバブル製品「awawa」を蛇口に取り付け、現場で効果を実証してきました。その結果、ニオイの大幅な軽減と清掃頻度の減少が見られ、新たな技術の開発へと繋がりました。
現場からのフィードバック
「強いニオイがほぼ無臭になり、清掃回数も年1回に減少した」と語るのは、エーケーダイカスト工業所の河田次長です。従業員の健康や作業環境の改善は、企業として非常に重要な課題であり、この新技術はその解決につながると考えられています。河田氏によると、ファインバブル水を使用して希釈することで、今までのような臭気が発生せず、清掃の必要もほぼ無くなったとのことです。
テクノロジーの可能性
ファインバブル技術は、水質の浄化や洗浄など多様な効果があり、特に疎水性物質への洗浄効果には注目されています。新しい装置に搭載された「μ-Jet機構」は、独自の方式で高速旋回液流とキャビテーションを利用しており、これがファインバブルを生成する鍵となっています。
今後、この技術が他の業界にも広まり、持続可能なものづくりに貢献することが期待されます。ダイカスト業界からの新たな提案がどのように社会に影響を与えるのか、今後の展開が楽しみです。
展示会の情報
展示会名:2024 日本ダイカスト会議・展示会(j-dec)
開催日:2024年11月14日(木)~16日(土)
場所:パシフィコ横浜(入場無料)
出展者:株式会社エーケーダイカスト工業所
ブース番号: F-06
この革新的な技術に注目が集まる中、業界の未来に待ったなしのチャレンジが進行中です。