2024年ブランドマンション評価見直し:資産性を巡る真実とは
2024年のブランドマンション評価が発表され、市場の人気が続く中で、その価値について再考が求められています。特に、東京都23区でのブランドマンションの評価は興味深いものであり、今回は「流動性」「希少性」「資産性」の3つの観点から詳しく探ります。
ブランドマンションの人気と調査概要
大手不動産ディベロッパーが手がけるブランドマンションは、高額な物件にもかかわらず、中古市場においても価値が低下しづらい特性を持っています。福嶋総研の調査によると、2023年から2024年にかけての評価が行われており、特に2000年以降に築かれた東京都23区のブランドマンションに注目が集まりました。ディベロッパーとしての代表的なブランドには、プラウド、パークホームズ、ザ・パークハウス、シティハウス、ブリリア、ブランズ、グランドメゾンなどがあります。
ブランドマンション評価の詳細
流動性、希少性、資産性の評価
調査の中で重要な項目は「流動性」「希少性」「資産性」です。
- - 流動性は販売からどのくらいの期間で売れるかであり、これが短いほど需要が高いことを示します。
- - 希少性は販売される戸数の割合を示しており、市場での出現頻度が高いと判断されます。
- - 資産性は価格の高騰率を基に評価されており、資産としての強さを反映しています。
表1によると、東京都23区の中古マンション全体の流動性は107日であり、これに対し、ほとんどのブランドマンションがこの平均を下回る結果となっています。つまり、ブランドマンションは流動性において非常に高い評価を得ているのです。
しかし、興味深いことに「流動性」や「資産性」はブランドマンションにおける評価が常に高くないことがわかります。例えば、「パークホームズ」は高騰率は他のブランドと同程度でしたが、逆に「プラウド」や「ブリリア」は他よりも劣っていることが観察されました。
このことから、ブランド名があっても必ずしもその物件が資産性において優れているとは限らないという現実が明らかになりました。
期待高騰率と価格変動のリスク
次に、価格の期待高騰率とその変動リスクについて見てみましょう。グラフ1は各ブランドマンションごとに期待価格高騰率と価格変動率をプロットしたものです。
- - 高い期待価格高騰率を示すブランドマンションもあれば、安定した価格変動率を持つものもあります。
- - 特に「シティハウス」「ブランズ」「グランドメゾン」は期待高騰率が高いもののリスクもあると評価されており、「プラウド」は平均的なリスクで標準的とされています。逆に「パークホームズ」と「ザ・パークハウス」は安定性が強いとされ、価格変動リスクが低い結果となっています。
まとめ
2024年のブランドマンション市場は、その流動性において高い価値を示しつつも、必ずしも資産性が高い訳ではないということが調査結果から透けて見えます。「流動性」「希少性」「資産性」という3項目は、ブランドマンション投資を考える上で重要ですが、ブランド名だけで判断するのは避けた方が良いかもしれません。市場の変動に影響されない安定した投資を求める方は、具体的なデータを元に検討を進めた方が賢明です。今後の不動産市場の動向に注目が集まる中で、正確な情報と冷静な判断が求められています。
執筆者プロフィール
福嶋真司(ふくしましんじ)
マンションリサーチ株式会社 データ事業開発室 不動産データ分析責任者
早稲田大学理工学部卒業後、大手不動産会社でのマーケティング調査を経て、現在は不動産市場調査や評価指標の研究を行っています。福嶋総研においては、各種データを収集し、メディアや学術機関に提供しています。