現役世代における心不全の意識と実態
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社が実施した「現役世代の心不全に関する意識実態調査」の結果についてお伝えします。対象は全国の30代から60代の男女2,104人で、調査結果は心不全に対する認知や医療機関の受診状況についての重要なデータを示しています。
心不全の現状とリスク認知の低さ
2025年には団塊世代が全員75歳以上となる見込みであり、高齢化が進む中で心疾患の患者数も増えていく状況です。特に心不全は、心疾患の患者の約40%を占めており、今後の医療ニーズが高まる中、心不全パンデミックの懸念も高まっています。
調査によると、心不全リスクを調べることのできる血液検査の認知度はわずか8.9%。さらに、心障害の危険因子を感じている人の約7割が医師への相談や受診をしていないことが明らかになりました。この点は、自身の健康状態を把握することの重要性を示しています。
課題の理解不足
調査結果からは、心不全は「高齢者に多い病気」として理解されているものの、実際には若い世代でも心疾患のリスクがあり、高血圧や糖尿病などの生活習慣病がその要因となることが知られていない部分も多いのです。特に心不全が進行した場合、機能の回復が期待できないことを理解している世代は半数にも満たないことが明らかになり、現役世代の心不全への理解が依然として低いことが問題視されています。
医療機関への受診率の実態
心不全の危険因子を持つ人の中で、心臓の健康に不安を感じているにも関わらず、医師に相談したり受診したりする人が25.7%しかいないというデータは衝撃的です。多くの人々が健康に関する懸念を抱えつつも、それを放置してしまう実態が明らかになりました。
また、将来の病気に対する不安の調査結果では、1位が「がん」、次いで「口・歯の疾患」、さらに「脳の疾患」と続く中、心臓疾患の認知度は高くない現状が浮き彫りにされています。
早期発見の重要性
心不全を早期に発見するために、血液検査を通じて自らの健康を把握することが勧められています。特に、NT-proBNPやBNPといったバイオマーカーの数値が一定以上となる場合、隠れた心不全の可能性があることが指摘されており、自覚症状が無い場合でも検査を受け、異常があれば医師に相談することが重要です。
まとめ
心不全に対する理解を深め、正しい知識を持つことで、早期の発見や重症化の防止が可能です。狭まる医療リソースの中で個々が自らの健康に向き合うことが一層求められています。合格した者の努力が、未来の健康を守る一歩となるでしょう。ロシュは、検査の普及と情報提供を通じてこの問題の改善に貢献していくことを目指しています。
詳しい情報はロシュの検査情報サイト「けんさナビ」(https://kensanavi.jp/symptoms/cardiology/)で確認できます。