竹の芸術と遊び心 - 安部仁美の個展
個展『The Metaphoric Basket』について
静謐な竹の音色と、豊かな遊び心が息づく安部仁美の個展『The Metaphoric Basket』が、東京・青山の「ESCAPERS AN OTHER WORLD」で開催される。開催期間は2025年12月5日から12月15日まで。日常の中に非日常を見出し、竹という素材を使って新たな表現を追求してきた10年間の集大成となる。
作品の数々
本展示では、竹と石をテーマにした作品や、特に注目すべきは「ブリム」や「フリンジ」シリーズ。「ブリムバスケット M」は、取り外し可能なディスク部分が特徴で、使い手の創意工夫で様々な形に変化させられます。このバスケットは、竹の伝統的な技術を駆使しており、デザインと機能性を兼ね備えた魅力的なアイテムです。
「フリンジシリーズ」では、竹ひごを前髪に見立て、使用者の手によってカットされ、スタイルが変わっていく様子を楽しむことができます。安部氏は、竹そのものの軽さと、異なる素材の重さが持つコントラストを重視し、作品の変化を提案しています。これらのシリーズは、どれも使用することで自己表現を促すアイテムとなっている。
竹工芸の真髄
安部氏は、竹の加工が作品の完成度にとって81%を占めると自負し、乾燥させた真竹から一本一本手作業で竹ひごを生み出します。この工程だけでも丸二日かかる程の丹念さが求められ、その後の編み込み作業で美しい造形が実現する。細かな工程を経て、彼女の作品は精緻でありながら、温かみのある姿を見せる。
ビジョンと理念
安部仁美は、「日常と非日常のあわいに残す余白」を大切にし、観る人がその余白を埋めていくことを望んでいる。10年もの間、作品を作り続けながら、彼女が育んできた感性や技術が詰まったこの個展は、彼女の思いを直接感じることのできる貴重な機会となる。
開催情報
- - 会期: 2025年12月5日(金)〜12月15日(月) 12:00-18:00 (休廊日: 12月11日(水)、12月12日(木))
- - 作家在廊日: 12月5日(金)
ギャラリーについて
ギャラリー「ESCAPERS AN OTHER WORLD」は、竹工芸作品を中心に、さまざまな工芸品を提供し、「Timeless Expression」をテーマとして、日常に寄り添う作品を厳選して紹介。空間、文化、人との境界線を溶かし、新しい経験を生み出すことを目指しています。
アクセス
- - 住所: 〒107-0061 東京都港区北青山3-7-10 D2 Place 1F
- - TEL: 080-7508-9967
まとめ
この個展を通じて、安部仁美の竹工芸に対する真摯な姿勢や、日常の中に潜む非日常を発見してみるのはいかがですか。作品との出会いが、あなたの感性を刺激し、新たなインスピレーションを与えてくれることでしょう。