日本の椅子デザインの歴史を深く知る書籍、増補改訂版が発売

日本の椅子デザインの深層を探る

2025年12月、グラフィック社は『増補改訂版日本の椅子日本のロングライフ・チェア』を出版します。本書は、名前を知られた日本の椅子デザインを中心に、家具と建築の歴史を遡りながら、私たちの生活にどのような影響を与えてきたのかを考察します。

ジャパニーズモダンの巨匠たち

この書籍は特に、8名の著名なデザイナーに焦点を当てています。柳宗理、剣持勇、渡辺力、豊口克平、新居猛など、彼らの作品や思想を掘り下げたインタビューが収録されており、デザインの背後にあるストーリーを深く感じることができます。読者は、彼らがどのように日本の椅子のトレンドを築き上げてきたのかを知ることができ、その作成過程や理念を直接知ることができます。

100年のデザイン史の総括

本書では、フランク・ロイド・ライトから始まる建築と家具の歴史が詳細に説明されます。家具デザインの発展を長い時代背景の中で俯瞰し、椅子という日常的なアイテムがどのように進化してきたのかを理解する助けとなります。特に、モダニズムデザインの始まりや国主導のデザイン振興など、時代背景を学ぶことによって、日本の椅子デザインの独自性が浮き彫りになります。

多様な視点からの検証

本書はただのデザイン書ではありません。椅子を通じて、私たちの生活様式や文化的背景を映し出す鏡としても機能します。草野心平の言葉を引用すれば、椅子は「人と空間、文化をつなぐ重要な存在」と言えるでしょう。似たような椅子を持つことの意味や、それが集まることで生まれるコミュニティなど、私たちが見過ごしがちな視点をも考察しています。

読者に向けたメッセージ

往年の椅子ファンから若い世代の読者、建築やデザインに興味があるすべての人々にとって、本書は新しい発見とインスピレーションを与えてくれることでしょう。椅子という一見シンプルなアイテムが、いかに人々の生活を豊かにし、社会に影響を及ぼしてきたのかを知ることで、私たちの生活を見つめなおすきっかけとなります。

目次のご紹介

1章では各デザイナーと名作について語る内容を、2章では日本の椅子の歴史とその背後にある背景を掘り下げます。特にモダニズムデザインの始まりや、戦後の住宅事情と椅子の関係など、非常に興味深い内容が盛りだくさんです。

興味のある方は、ぜひ購入を検討してみてはいかがでしょうか。書籍の発行は2025年12月、定価3,300円にて販売予定です。今から楽しみに待ちましょう！