日本旅行創業120周年記念 小説『旅行屋さん』の内容
日本旅行が今年で創業120周年を迎え、その歴史を振り返る意義深い作品として、株式会社実業之日本社からこのたび発売される小説『旅行屋さん 日本初の旅行会社・日本旅行と南新助』。これは創業者である南新助の生涯を描いたもので、明治、大正、昭和にわたる時代の流れを背景に、旅行業界の基礎を築いた男の奮闘をたどります。
日本旅行の誕生と成長
日本旅行は1905年、滋賀県の草津市で南新助によって創業されました。当時、旅行業界は未発達であり、団体旅行という概念はまったく存在しませんでした。しかし新助は、鉄道の普及を背景に、この新しいビジネスに挑戦します。彼が企画した高野山や伊勢神宮への団体旅行は、まさに日本における旅行業のスタートとも言えるものでした。この小説では、彼がどのようにこの新たなビジネスモデルを築いていったのかが描かれています。
小説の中の南新助
著者の河治和香氏は、関係者への取材を重ね、歴史資料をもとに人情味あふれる物語を描き出しました。この作品には、新助の地元に対する愛情や、彼が旅行業に抱く情熱、そして人々の「旅に出たい」という願望を満たすための努力が詰まっています。時代が変わっても変わらない人々の心の中の旅への憧れが、どのように日本旅行のサービスとして具現化されていったのかを実感できます。
作品のビジュアル
また、カバーイラストは映画『銀河鉄道の夜』の監督として知られる杉井ギサブロー氏が担当しており、鉄道の持つ文化的な意義と、そこに込められた未来への希望が表現されています。このビジュアルは、読む者にさらなる感動を与えることでしょう。
書籍の詳細
この小説は、2025年10月23日(木)から全国の書店及びオンライン書店で入手可能です(電子書籍版もあり)。定価は2090円(本体1900円+税)で、ISBNは978-4-408-53888-4。280ページのボリュームで、明治からの旅行業の「原点」を改めて考えさせる内容となっています。
河治和香氏のプロフィール
著者の河治和香氏は、日本大学芸術学部映画学科卒業後、映画業界での経験を経て作家として活躍しています。作品には、歴史に基づいたテーマや人情を大切にした内容が多く、受賞歴も豊富です。彼女の視点で描かれたこの小説は、読み手に深い感動を与えることでしょう。
この特別な作品を通じて、日本の旅行文化の歴史を再認識し、今もなお私たちの心に響く「旅」の魅力を感じてみてはいかがでしょうか。旅行業界が誕生した背景を知ることは、現代の旅行をより一層楽しむためのヒントとなるかもしれません。