ベトナムにおける日本の都道府県人気の変化と埼玉の躍進

ベトナムにおける日本都道府県人気の変遷

最近、アウンコンサルティング株式会社が発表した調査結果によると、ベトナムでの日本の47都道府県に関する検索トレンドが注目されています。この調査は2023年12月から2024年11月の期間を対象としており、特に検索数の上位に位置するのは、これまでの傾向を踏まえた結果とはいえ、埼玉が1位になるなど、意外な結果が見られました。

この調査からわかることは、ベトナムからの訪日旅行者は2024年に約58万人に達すると予測されており、前年度の57万人を上回る見通しがあります。これは、ベトナムにおける旅行需要の高まりを示しており、日本の都道府県に興味を持つベトナム人が増加していると言えるでしょう。

埼玉県が人気の理由

特に今回埼玉県が2位の東京、3位の大阪といった大都市に先んじて1位に輝いた理由について、いくつかの要因が挙げられています。埼玉県には多くのベトナム人コミュニティが存在し、親族や知人を訪れる人々が多いため、旅行以外の目的でも注目される傾向にあります。また、埼玉は東京都に近接しつつも、生活費が比較的安い点も魅力的です。加えて、交通インフラも充実し、住環境が整っていることから、埼玉を選ぶ理由が増えています。

さらに、埼玉県内に在留する外国人の総数は2023年には23万人に達し、特にアジア圏からの移住者が多くを占めています。その中でベトナム人は約4万人であり、これは全体の17.2％を占めることになります。こうした統計も、埼玉の人気の根底にあると考えられます。

三重県の注目度

埼玉に引き続き注目されるのが三重県です。三重県は、埼玉と同様に多くのベトナム人が暮らしている地域です。実際、三重県内の外国人住民の約20％がベトナム人で構成されており、経済交流も積極的に行われています。今年2024年4月には、三重県がベトナムで合同面接会を開催し、人材確保に向けた活動を進める計画も発表されました。

このような背景から、三重県も今後の人気が期待されるエリアと言えるでしょう。特に、医療や介護分野における技能実習生の受け入れや大学生とのマッチングなど、将来的にはより多様な交流が進むことが見込まれています。

世界的な人材事情と日本の課題

しかし、これだけの需要がある中で、日本自身が抱える人材不足の問題は深刻です。少子高齢化が進行する中で外国人労働者の受け入れは急務であり、労働条件の改善や生活環境の整備が必要不可欠です。特に、円安が進み賃金面の魅力が薄れつつある中で、外国人に対して日本を再び選ばれる国にするためには積極的な施策が求められます。