吉祥寺でのロック演劇「夏の夜の夢」
今年の7月、東京の吉祥寺にある老舗ライブハウス「曼荼羅」で、斬新な舞台公演が行われます。演劇ユニット「キングスメン」によるシェイクスピアの名作「夏の夜の夢」と、メタル系ロックバンド「FURUCHANS」の生演奏とのコラボレーションです。二夜のみの特別公演で、観客には期待が高まっています。
公演の詳細
「夏の夜の夢」は、妖精が住む森で起こるファンタジックなラブコメディです。愛と裏切り、誤解から生まれるドタバタ劇は、現代の観客にも響くテーマが隠れています。この作品は、単なる喜劇ではないとの思いから、演出の篁エリはその重要性を力説しています。「喜劇の形式をとりながらも、現代的な視点を持ち込んでいます」と語ります。
俳優陣と演出
主演の平澤智之と高村絵里は、過去にシェイクスピア作品を数多く手がけてきた実力派です。特に、平澤はシェイクスピアシアター出身で、その経験を生かせる場としてこの公演を捉えています。また、特別ゲストとして加わる遠藤栄蔵とのパフォーマンスも注目されています。
演劇と音楽の融合
演劇ユニット「キングスメン」は、これまで多様な試みに挑んできました。障がい者をメインキャストに起用したり、中世英国の演出形式を再現するなど、新しいスタイルの古典演劇を展開しています。そして今回、FURUCHANSとのコラボレーションに至った理由は、シェイクスピアの作品が持つ根源的なテーマが、ロック音楽のフィーリングと合致するためです。篁エリは、「シェイクスピアが描く人間の愛や裏切りは、ロックの最も重要なテーマの一つです」と語ります。
現代的な問題への視点
「夏の夜の夢」のストーリーには、現代社会が抱える着眼点が潜んでいます。篁は、「舞台上に登場する女性たちは、親や社会の圧力によって抑圧されています。また、この作品を通し、現代の歪んだジェンダー観に焦点を当てたい」と考えています。この公演を通じて、観客にそれを体感してもらい、再評価してもらうことが目的です。
公演情報
公演は7月18日(金)の19:00と、19日(土)の17:00に行われ、会場は吉祥寺の曼荼羅です。チケット代は3500円で、当日ワンドリンクのオーダーが必要となります。ネットでのチケット購入は、カンフェティを通じて可能です。
この「ロック×古典」の新しい試みに、ぜひ足を運んでみてください。心に残る体験があなたを待っていることでしょう。