IT業界の管理職、続けたくない人が約4人に1人という現実

IT業界での管理職に対する意向についての調査がレバテック株式会社によって実施され、その結果が注目されています。この調査では、日本国内のIT人材や企業担当者に対して、管理職の意向や採用実態について詳細に分析されています。

調査の背景と目的

「日本を、IT先進国に。」を企業ビジョンに掲げるレバテックは、IT人材の採用や育成に力を入れている企業です。今回の調査は、管理職に求められる資質や責任の重さ、ならびにその意向を明らかにすることで、今後の戦略を検討するために実施されました。

調査結果の概要

今回の調査では、まず管理職に就くことに対する希望を調査しました。その結果、今後管理職になりたいと思う人はわずか15.7%ということが明らかになりました。興味深い点は、管理職を目指す理由として「給与や報酬を現状より上げたい」と回答した人が56.7%に達しており、金銭的な要素が主なモチベーションとなっていることです。

しかし逆に、約4人に1人は「管理職になりたくない」と回答しました。その理由の多くは「責任やストレスが増えそうだから」というもので、これは管理職業務の過酷さを象徴しています。特に、約半数がこの点に懸念を抱えている結果になりました。また、年代別に見ると、年齢が上がるにつれて「管理職になりたくない」という回答が増える傾向が見られ、中でも50代では約7割がその意向を示しています。

現在の管理職の状況

現在管理職についている人々に向けた質問では、24.1%が「管理職を続けたい」と思わないと回答。続けたくない理由としても「責任やストレスを感じる」ことが最も多く、52.0%の人がこの理由を挙げています。また、報酬に対する不満もあり、「給与の割に働きすぎだ」と感じる人が12.5%いることも分かりました。

反対に、管理職を続けたい理由としては、やはり「給与や報酬を現状より上げたい」とする回答が39.2%と多くを占め、続いて「組織や部門の意思決定の権限を持てるから（17.8%）」という意見もありました。このことから、管理職には多くの責任とストレスが伴う一方で、長期的なキャリアビジョンややりがいも感じていることが伺えます。

管理職人材の採用状況

さらに、IT人材を採用する企業の約5社に1社が「管理職」のポジションに力を入れています。この背景には、IT業界が競争激化している中で、戦略的なリーダーシップを求められている事情があります。調査によれば、リーダークラスの採用が38.0%と最も高く、次いでメンバークラスが36.1%。ハイクラス・管理職は20.5%であり、企業は今後の成長を見据えた人材確保に迫られています。

管理職の負担軽減策

これらの調査結果から、企業側は管理職の負担を軽減し、より多くの優秀な人材を引き付けるための戦略を考える必要があります。具体的には、業務範囲を整理し、負担の大きいタスクを適切に分配することが求められます。また、プロジェクト管理業務を外部委託する方法や、人員の増員を図ることも一つの解決策となるでしょう。そうした取り組みが、管理職候補者の意向向上や、組織への定着率の改善に繋がると期待されます。