業界初の評価装置、MT9100Aを発表
アンリツ株式会社は、次世代の大容量光通信をスムーズに支えるために、業界初となるマルチコア光ファイバの伝送品質を評価する新しいソリューション「マルチチャネルファイバテスタ MT9100A」の販売を開始しました。この製品は、国立大学法人東北大学の特別栄誉教授である中沢正隆氏が考案したマルチチャネルOTDR方式に基づいており、研究開発や製造現場での光通信の可能性を広げるものです。
マルチコア光ファイバの必要性
近年、AIやクラウドサービスの普及が進む中、光海底ケーブルやデータセンター間の通信需要は増大しています。しかし、従来の光ファイバ1本あたりの伝送容量は頭打ちの状況です。この課題を解決するために注目されているのが「マルチコア光ファイバ」です。この光ファイバは、1本のファイバ内に複数の独立したコアを配置することで、より多くのデータを同時に伝送できる特長を持っています。
このマルチコア光ファイバに関する研究は2000年代から始まり、アンリツはその先駆けとして、国立大学法人東北大学との協力を進め、OTDR方式による測定法の実現を追求してきました。これにより、コア間クロストークやその他の伝送品質指標を迅速に評価する新たな技術が要求されていました。
MT9100Aの特長
MT9100Aは、主に研究開発および製造用途を想定しており、以下のような特長を有しています。
1.
コア間クロストークの分布測定
この装置は、コア間クロストークの分布を距離方向で測定できます。局所的にクロストークが増加する部分を可視化することで、光ファイバの敷設条件を最適化する手助けをします。
2.
片端測定による利便性の向上
MT9100Aは、光ファイバの片側のみで測定を行うことができます。これにより、フィールドテストで光ファイバの両端が遠く離れている場合でも、作業者を両端に配置する手間を省き、設置や運用の効率を向上させます。
3.
迅速なマルチコア光ファイバの品質評価
MT9100Aは、最大4コアの伝送損失、反射減衰量、コア間クロストークを一括で測定でき、従来の手法よりも速やかに評価が行なえます。これにより、製造現場での生産性向上に寄与します。
結論
アンリツの新しい評価ソリューション「MT9100A」は、次世代光通信インフラのさらなる発展に寄与する可能性を秘めています。研究者や製造者にとって、この装置は不可欠なツールとなることでしょう。より詳細な情報や製品については、アンリツの公式Facebookページを訪れてみてください。
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