双日株式会社は、最近、豪州の省エネルギーサービス業界において重要な一歩を踏み出しました。具体的には、豪州ニューサウスウェールズ州を拠点とするClimatech Group Holdings Pty Ltd.の70%の株式を取得する契約を締結しました。これにより、双日の連結子会社であるEllis Airを通じて、業界内の競争力を高める狙いがあります。
この買収により、双日グループの売上高は約450億円(450百万豪ドル)規模となり、豪州の冷暖房空調装置(HVAC)市場での首位に躍り出ることを目指しています。
現在、豪州では人口の増加が進むとともに、住宅や商業施設の建設需要が急増しています。特に、2032年に予定されているブリスベン夏季オリンピック・パラリンピックが関連するインフラ整備を促進するでしょう。また、建築物に対して環境性能を評価する基準が導入され、高い省エネルギー基準を満たした施設の設計や空調設備の導入は、今後ますます重要となります。
市場の成長率は年率6%と予測されており、2033年には約7.4兆円(740億豪ドル)に達する見込みです。この機会を逃さず、双日は事業拡大を図っているのです。
具体的には、Climatechはこれまでに多数のプロジェクトを手がけており、商業ビルや病院、大規模なデータセンター向けの空調設備の設計・施工と保守整備を行っています。特にデータセンター向けの事業は、黎明期より参画し、過去15年間で21件のプロジェクトを成功させています。これにより、今後の事業展開にも大きな期待が寄せられています。
雙日がこのClimatechを傘下に加えることで、両社の持つ技術や顧客基盤を結集し、より多様なニーズに応えられるエネルギーソリューションを提供することが可能になります。その結果として、CO2排出量の削減やネットゼロ社会の実現に貢献することが見込まれます。
今後、双日は豪州における省エネルギー事業においてますます存在感を高めていくことでしょう。こうした企業の取り組みが、持続可能な社会の構築に向けた一助となることを期待します。