人的資本経営フレームワーク改訂の新展開
Unipos株式会社は、2023年10月に「人的資本経営フレームワーク(田中弦モデル)」を改訂しました。この改訂は、内閣官房や金融庁、経済産業省が示す新たな人的資本可視化指針に対応し、企業が経営戦略と人材戦略の関連性を強く意識することを促進するものです。
改訂の背景
近年、企業の人的資本開示は着実に進展していますが、経営戦略と財務価値の連動を実現できていない企業が多いというのが現状です。調査によると、6割以上の投資家が「人的投資」を重視している一方で、実際に財務指標に対する影響を開示できている企業は約4%にとどまっています。これにより、人的資本投資がどのように財務価値に結びつくかという「ストーリー」の重要性が高まっています。こうした背景を受けて、このフレームワークは大幅に改訂されました。
フレームワークの全体構造
本フレームワークは、以下の要素から構成されています。
1. 理想・大義
2. 重点克服課題(リスクと機会)
3. インプット・アクション(経営戦略と人事戦略の連動)
4. アウトプット(能力・行動の変化/KPIの変化)
5. 活動の変化
6. アウトカム(事業成果・企業価値)
7. 財務コネクティビティ
この構造によって、企業が中長期の経営計画を遂行できるかどうかを明確に評価し、理想と現実のギャップを埋めるための具体的な行動に結びつけることが可能になります。
改訂の主なポイント
1. 財務コネクティビティの追加
改訂の大きなポイントは、「財務コネクティビティ」の新設です。これにより、既存事業の成長や新規事業の創出がどのように財務指標と関連しているかを可視化し、企業はこの視点から経営戦略を見直すことができます。
2. SSBJ基準への対応
新しいフレームワークは、「ガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標」の4要素に基づいて設計され、SSBJ基準に対応した統合的なストーリーの構築が可能です。
3. リスクと機会の明示
企業は各人的資本投資アクションを「機会獲得」と「リスクコントロール」の両面から評価・開示できるようになります。このアプローチは、効果的な資本投資を促進する上で重要です。
4. 経営戦略と人材戦略の連動の具体化
中長期計画に基づく人的資本投資の導出に関連する思考フローが詳細化され、企業が持つ課題を明確にし、効果的な解決策を実行する流れが整理されました。
5. 自社独自指標と汎用指標の二層構造
フレームワークには、「自社独自指標」と「他社との比較が可能な汎用指標」の組み合わせが対応できる構造が組み込まれています。これにより、各企業の特性に応じた柔軟な評価が実施できます。
無償提供の継続
改訂版の「人的資本経営フレームワーク2026」は、クリエイティブコモンズライセンスのもと、連絡なしで無料で商用利用が可能です。これにより、より多くの企業がこのフレームワークを活用し、自社の人的資本の管理や開示に役立てることを期待しています。
結論
Unipos株式会社は、人と組織の力を引き出すことを目指し、新たな人的資本経営フレームワークの発表を通じて、企業と投資家との信頼関係の構築に貢献することを目指しています。未来の企業経営において、人的資本が果たす役割はますます重要になっていくことでしょう。