山梨中央銀行がRAG技術を利用した新たな生成AIシステムを導入
株式会社山梨中央銀行(頭取:古屋賀章)は、融資業務のさらなる効率化を図るため、RAG(Retrieval-Augmented Generation)技術に基づいた新しい生成AIシステム「YCB-AsIst」の利用を開始しました。このシステムは、全行員に対して提供され、業務の多様な面で活用されることを目指しています。
RAG技術とは?
RAG技術は、データベースなどから情報を検索し、抽出した内容を基に生成AIが回答を生成する技術です。この技術により、より正確で信頼性の高い情報が提供されることが期待されています。山梨中央銀行は、2023年10月にはChatGPTを組み込んだAIチャットツールを導入しており、文章の作成や要約、プログラミング、アイデア創出などの業務に役立ててきました。
新たに導入された「YCB-AsIst」は、既存のAIチャットツールにファイル添付機能とRAG技術を組み合わせたもので、財務分析や提案内容の検討、融資関連の資料や文章作成の効率化を狙っています。
開発と安全性の確保
「YCB-AsIst」は、アドバンステクノロジー株式会社と共同で開発されており、その運用には日本マイクロソフト株式会社が提供する「Azure OpenAI Service」と、アマゾンウェブサービスジャパン合同会社の「Amazon Bedrock」が活用されています。これにより、厳格なセキュリティの下でシステムが構築されており、行員は入出力情報の外部流出や二次利用に対する不安を抱えることなく、安心して業務に活用できます。
また、システムの利用に際してはガイドラインも策定されており、お客様の個人情報や機密情報の取り扱いについては法令や規定に則って厳重に管理されます。
今後の展望
山梨中央銀行は、「YCB-AsIst」を通じて融資業務のさらなる改善を図り、顧客に対してより良いサービスを提供することを目指しています。この新しい技術の導入により、銀行業務のデジタル化が進む中で、効率と透明性が一層向上していくでしょう。
この取り組みは、銀行業界全体にも影響を及ぼす可能性があり、今後、他の金融機関でもRAG技術を活用したシステムの導入が進むことが期待されます。
「YCB-AsIst」が形作る未来の銀行の姿に、ますます注目が集まることでしょう。