企業提携の背景と目的
2021年9月28日、ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社はエキスパート・リンク株式会社およびそのグループ会社M&Aの窓口と戦略的資本業務提携を締結しました。この提携は、M&A業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、中小企業やスモールM&Aの市場を活性化させることを目的としています。特に、後継者不在や廃業問題に直面している中小企業に対し、効果的な事業承継の機会を提供する意義が込められています。
日本の中小企業が直面する危機
近年、日本の中小企業は大きな危機に直面しており、その多くが後継者不在のために廃業の危機に瀕しています。経済産業省の報告によると、休廃業数は年々増加中で、2021年には約46,000件に達する見込みです。そのうち、半数以上が「黒字廃業」と呼ばれるケースで、実際には事業継続が可能である企業が後継者不足で廃業に追い込まれています。
このような背景から、中小企業庁では、年間6万社の支援を目指す「第三者承継支援総合パッケージ」を策定し、中小企業におけるM&Aの普及と支援を進めていますが、現在のM&A市場には仲介業者の偏りが見られ、多くの小規模事業者が適切な支援を受けられていないのが実情です。
提携の具体的内容と実施計画
ファイブ・アンド・ミライアソシエイツ株式会社(以下、当社)とエキスパート・リンク株式会社(EXL社)は、M&Aの第三者承継の促進を図るため、いくつかの取り組みを行います。具体的には、両社は以下の活動を通じてスモールM&Aの推進を目指します:
- - M&A業務プロセスのIT化とDX化
- - 顧客ニーズに合わせたマーケットイン型M&A業務の展開
- - ソーシャルメディアを活用したウェブマーケティングの実施
- - 金融機関との相互連携強化
また、M&Aの窓口社代表の佐藤健氏は、「中小企業のM&A活性化は社会的にも価値があり、ビジネスチャンスを生む」と強調し、両社の提携を通じた新たなアプローチを期待しています。
両社代表の意気込み
提携に際し、ファイブ・アンド・ミライアソシエイツの代表取締役、五十嵐次郎氏は、「業界の先駆者であるエキスパート・リンクとの提携は、大きな期待を寄せています。スモールM&Aを通じて、多くの中小企業が持つ可能性を引き出していきたい」と話しました。双方の強みを活かし、新たな市場を形成することが期待されるこの提携によって、日本の中小企業が次のステージへ移行する手助けとなるかもしれません。
まとめ
今回の提携が生む新しい機会は、単なる企業の買収に留まるものではなく、中小企業が抱える様々な社会的な問題の解決に向かう重要なステップとなります。ITやデジタル技術を駆使し、アプローチの柔軟性を保ちながら、これからの中小企業M&Aの未来を切り開いていくことでしょう。両社の新しい試みから今後の展開に目が離せません。