愛知県豊橋市が導入したAIリアルタイム防災・危機管理サービス『Spectee Pro』の事例が、サービス提供元である株式会社Specteeによって公式に発表されました。『Spectee Pro』は、SNSや気象データなどの情報を解析し、災害の発生をリアルタイムで把握することができる先進的なツールです。
導入の背景
豊橋市が『Spectee Pro』を導入した理由は、過去の災害時における情報収集の難しさにあります。特に、東日本台風の際には迅速かつ正確な情報が求められる場面が多々ありました。これまでは市職員の巡回や市民からの通報に頼るほかありませんでした。この課題を解決するために、『Spectee Pro』の導入が検討されたのです。
実際の効果
導入後、豊橋市では令和5年6月に線状降水帯によるこれまでにない降雨が発生。その結果、豊川沿いの三つの霞提地区では冠水が起こり、市内各所で浸水被害が発生しました。『Spectee Pro』はこの状況を迅速に把握するために大いに役立ちました。
具体的には、200件以上の動画や写真を通じて、リアルタイムで市内の被害状況を把握。水没した車やマンホールから立ち上る水柱の映像を通じて、災害の全容を理解することができたのです。これにより、市が迅速に判断し、関係機関と連携できる環境が整いました。
防災危機管理課からのコメント
豊橋市防災危機管理課は、今後の取り組みにも意欲を示しています。災害時に必要な情報を速やかに集め、正確に共有することが最重要です。『Spectee Pro』を活用し、さらなる訓練やマニュアルの整備を行うことで、大規模な災害にも対応できる体制を強化すると言います。
スペクティのサービスについて
『Spectee Pro』は、SNS、気象情報、自動車データ、全国の道路・河川カメラなどの情報を元に、迅速に災害を予測し、可視化するサービスです。日本全国で多くの自治体に導入されており、その機能は高く評価されています。
また、株式会社Specteeは、2024年に国内最大級の防災テックイベント「防災テックスタートアップカンファレンス2024」を開催予定です。このイベントでは防災に関する最新の情報が発信され、業界の未来について議論が行われる予定です。
豊橋市の事例は、他の自治体にとっても大いに参考になる成功事例と言えるでしょう。AIを駆使した防災対策が、今後の災害対応にどのように寄与していくのか、その動向に注目です。