NextorageとRecursiveが手掛ける新たなAIシステムの導入
2025年10月、メモリー・ストレージのリーダー企業である
Nextorage株式会社(神奈川県川崎市)とAI技術に特化した
株式会社Recursive(東京都渋谷区)が、テレビ局向けの人物検出AIシステムの共同開発に乗り出すことを発表しました。この新しいシステムは、テレビ局が抱えるアーカイブ映像の検索課題を解決し、制作効率を飛躍的に向上させることを目指しています。
現在の課題
映像業界、特にテレビ局では、膨大な映像アーカイブを適切に活用することが求められています。しかし、長年にわたって蓄積された映像素材から必要な人物を見つけ出す作業は非常に手間がかかり、業務の効率を損なっていました。さらに、AI導入に際しては、安全保障上の理由からのクラウド経由の利用や高額なGPU投資が妨げとなり、業界全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)にブレーキがかかっていました。
開発に向けた取り組み
そこで、両社はそれぞれの専門知識を活かし、共に解決策を模索することにしました。Nextorageの業界に関する深い理解と、RecursiveのAI技術を結集することで、テレビ局のニーズに応じた新たな人物検出システムの開発が始まりました。
システムは、台湾の
Phison Electronics Corp.が提供するオンプレミスのLLM学習ソリューション「
aiDAPTIV+」を活用し、高度なセキュリティを確保しながら、コスト効率を向上させています。
AIシステムの特長
新たなAIシステムでは、利用者が必要な人物名を入力することで、AIがアーカイブ映像を分析し、該当の人物が映るフレームを自動的に抽出します。これにより、従来の手法では何時間も掛かっていた映像検索が一瞬で完了し、必要な素材を迅速に見つけ出せるようになります。
主な特長
- - Phison社の「aiDAPTIV+」を活用:GPUのVRAM不足を克服し、システムメモリやSSDを用いてコストを削減しながら運用が可能。
- - 90%の工数削減:従来の方法と比較して、はるかに低コストで同等の性能を実現。
- - 制作効率の向上:作業の手間が軽減されることで、編集や演出に集中でき、視聴者にとって魅力的なコンテンツの制作が可能になります。
展示イベント「Inter BEE 2025」
このAIシステムの実演は、2025年11月19日から21日まで、幕張メッセで開催される「
Inter BEE 2025」で行われます。ここでは、実際にシステムを体験することができ、業界関係者に向けたデモが披露されます。興味がある方は、ぜひお立ち寄りください。
- - 会場:幕張メッセ(千葉市美浜区中瀬2-1)
- - Nextorageブース:ホール8、小間番号8312
- - 入場料:無料(事前登録が必要)
NextorageとRecursiveは、人物検出AIシステムを通じて、映像業界だけでなく、様々な分野におけるデジタル変革の推進を目指しています。これからも、持続可能な社会の実現に貢献していくことを誓います。