中部メタル、設備保全システム導入で生産性向上を目指す
静岡県磐田市に拠点を置く株式会社中部メタルは、金属スクラップの再資源化を行うリサイクル企業です。このたび、現場のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める一環として、設備保全システム『カミナシ 設備保全』を導入しました。目的は、設備の突発停止率を3%以下に抑えることです。
中部メタルとは
中部メタルは、非鉄金属や樹脂を中心に、様々な複合素材を破砕・選別し、再資源化する事業を手掛けています。特に、家電リサイクル法の施行以降は廃家電からの資源回収と素材加工に力を入れ、月間600〜700トンの取扱量を誇っています。高度な技術力と現場力が同社の強みとなっています。
課題と解決策
しかし、現場では多岐にわたる素材やそのコンディションにより、保全業務が属人化し、設備の情報が管理されていない状況が続いていました。これにより、突発的な設備停止が生じるたびに生産ラインが止まり、多大な損失が発生していました。そこで、熟練した技術を持つ担当者が入社したことを契機に、保全部門が立ち上げられ、設備情報の管理が始まりました。
そこで導入されたのが、カミナシの設備保全システムです。このシステムは、設備ごとのカルテに故障履歴や保全計画を記録し、誰でも必要な情報にアクセスできる体制を整えることを目的としています。
導入後の成果
『カミナシ 設備保全』導入後、設備情報が一元化され、突発停止時の対応が迅速化しました。以前はオペレーターの頭の中や紙、Excelに情報が分散していたため、トラブルが発生するたびに多くの時間が取られていましたが、今では全ての情報が「設備カルテ」として管理されているため、リアルタイムでの把握が可能になりました。この結果、中部メタルは設備の突発停止率を3%以下に抑えるための手応えを得ています。
計画的な保全とコスト削減
また、修繕や部品交換の履歴が一元化されたことで、計画的な保全やコストの最適化も実現しました。以前は、必要な情報にアクセスするのに時間がかかっていたため、突発停止や部品交換のタイミングを見つけるのが困難でした。しかし、現状では修繕内容のほか、修繕背景や部品の交換理由まで記載されたカルテによって、これらの課題が解消されています。
教育とスキル継承
さらに、導入したシステムの写真・動画記録機能により、異常の状態を一目で把握できるようになり、新入社員も過去の履歴に簡単にアクセスできるため、教育が標準化されていくことが期待されています。
まとめ
中部メタルが『カミナシ 設備保全』を導入したことにより、現場の保全活動が迅速かつ効率的に行えるようになりました。この取り組みを通じて、中部メタルは持続可能な生産体制を実現し、今後のさらなる発展が期待されます。