日韓国交正常化60周年記念リレー対話
2023年は日韓国交正常化から60年を迎え、両国の関係を見直す大きな機会となっています。この節目に、島根県立大学の国際コミュニケーションコースに所属する姜ゼミが中心となり、「過去を超えてつなぐ未来へ」と題した日韓大学生のリレー対話が企画されました。この取り組みは、次世代の若者が言語や文化、歴史について率直に話し合うことで、日韓の友好関係を深めることを目指しています。全3回にわたるオンライン対話には、韓国と日本双方から約50名の学生が参加しました。
第1回: 言語文化の実態
記念すべき第1回目は11月12日に行われ、韓国の世明大学の学生と共に「ことばによる日韓の姿」というテーマで意見交換が行われました。この対話では、日常的に使われるスラングやオンライン上の表現について話し合い、両国の若者が言語を介していかに文化や価値観を形成しているかを理解することができました。実際のコミュニケーションを通じて、共通点や違いを見つけ出し、言葉がどのように文化に根ざしているのかを深く考えるきっかけとなったのです。
第2回: Kカルチャーの視点
続く第2回目は11月25日に、韓国の釜山外国語大学の学生を招き、「Kカルチャーをどう見る?」というテーマで行われました。このセッションでは、K-POPや韓国ドラマが日本でどのように受け入れられているか、また日本文化の韓国における受け止め方について意見が交わされました。両国の若者が自らの経験を共有する中で、文化の多様性や相互理解を深める非常に充実した対話となりました。
第3回: 未来への架け橋
最終回の12月8日、韓国の蔚山大学の学生との積極的な意見交換が行われ、「歴史を超えてともに描く未来」と題して、歴史や国際問題に対する多様な視点を持った議論がなされました。このセッションでは、感情的になりがちな歴史問題についても若者としてどのように向き合えるかが問われ、未来に向けた協力の可能性を探る意味深い時間が流れました。
参加した学生たちからは、「率直な意見に触れ、日韓の文化や価値観の共通点に気づくことができた」との声や、「難しいテーマでも自分の考えを表現するための貴重な経験になった」という意見が寄せられました。また、「歴史問題を避けない重要性を再認識した」といった感想もありました。このリレー対話は、日韓関係の未来を担う次世代にとって、協力の可能性を考える大切な機会となったことでしょう。
日韓の若者たちが、歴史を踏まえたうえで未来をどう切り拓いていくのか、今後の展望に期待が寄せられます。