バイオ燃料で挑む、日本一高い「Torch Tower」の建設
東京都大手町に建設中の「Torch Tower」は、完成時に日本一の高さを誇るビルとして注目を集めています。その建設には、清水建設、三菱地所、三菱地所設計、ユーグレナといった複数の企業が参加しています。このたび、東京が推進する「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」に選定され、環境に配慮した建設プロジェクトとしてその名を刻むことが決まりました。
環境にやさしい建設を目指す
東京都は、電力の「HTT」(H減らす・T創る・T蓄める)戦略を掲げ、ゼロエミッションを実現するための様々な施策を進めています。その一環として、環境負荷の少ないバイオ燃料を利用した事業を推進し、このたび「バイオ燃料活用における事業化促進支援事業」を設立しました。これにより、森や農業といった自然環境から生み出されるバイオ燃料を活用し、持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化しています。
「Torch Tower」の建設工事では、ユーグレナが提供する100%純粋なバイオ燃料「サステオ」を大型建設機械に導入します。バイオ燃料の使用により、従来燃料に比べてCO2の排出量を大幅に削減することが期待されています。バイオディーゼルやSAF(持続可能な航空燃料)などの各種燃料が使用される予定で、これが具体的な脱炭素社会への第一歩となります。
脱炭素社会への貢献
このプロジェクトは2024年9月から2026年3月まで行われる予定で、実際の建設現場でのバイオ燃料の活用を通じて、社会全体の脱炭素化を目指します。事業の中では、バイオ燃料普及に向けた様々な課題を検討・改善し、成功事例を広く周知することにも力を入れています。
「Torch Tower」は、並行してバイオ燃料のプロモーションも展開され、建設業界全体における環境意識の向上を図ることが目的とされています。この取り組みにより、将来的には他の大型プロジェクトでもバイオ燃料が積極的に導入される流れをつくり、持続可能な社会の形成に寄与することが期待されています。
企業の連携
清水建設は、トンネルや橋梁といった大型プロジェクトの施工で知られ、数々の成功事例があります。一方、三菱地所とその設計部門である三菱地所設計は、長年にわたり大型ビルの開発を手がけてきました。これらの企業とユーグレナのコラボレーションは、環境技術の実用化に向けた重要なステップです。
将来的には、このようなバイオ燃料を利用した取り組みが日本全国に広まることで、持続可能な社会への貢献が強化されることが期待されています。バイオ燃料の普及が進むことで、建設業界における環境意識が高まり、脱炭素社会への過渡期を迎える可能性があることを示唆しています。
今回の東京都の支援事業は、企業と自治体が連携して新たな価値を創造するモデルケースとなるでしょう。これからの展開が非常に楽しみです。