日立製作所が生成AIに関する勉強会を開催
2025年10月9日、株式会社日立製作所の法務本部にて、「生成AIにどう向き合うか」というテーマで勉強会が行われました。この勉強会は、MNTSQ株式会社の代表である板谷隆平氏が主導し、約80名の法務本部の社員を対象にオフラインとオンラインのハイブリッド形式で開催されました。
AI活用の現状と課題
日立製作所が全社的に生成AIの導入を推進している中、法務本部でも多くの社員がすでにAIを業務に活用しているという報告がありました。しかし、生成AIの活用には精度や内容のばらつき、時には誤った情報を提供する「ハルシネーション」と呼ばれる現象も伴います。こうしたネガティブな要素にどう対応していくかが、法務部門にとっての大きな課題となっているのです。
勉強会の内容
勉強会の前半では、ハルシネーションへの対応策として、哲学的観点、技術的側面、実務面の3つのアプローチから議論が展開されました。板谷氏は「AIは人間の能力を拡張するものであるため、最終的な判断や責任は人間が持つべきだ」と強調しました。具体的な技術要素としては、生成AIが信頼できる情報を提供するための「RAG」や、プロンプトエンジニアリングを精緻化する「プレイブック」が挙げられ、人間中心の業務プロセスにどのように組み込むかが説明されました。
さらに、MNTSQが描く法務業務の未来像やその実現に向けたデモンストレーションも行われました。この内容は、参加者にとって新たな視点を持つきっかけとなりました。
質疑応答セッション
後半は質疑応答の時間が設けられ、参加者からは「AI時代における人材育成のあり方」や「AI活用におけるリスク管理の重要性」など、具体的で実践的な質問が多く寄せられました。これに対して板谷氏は、生成AIの利点に触れつつも、最終的には人間の判断による意思決定が不可欠であることを再度強調しました。
日立製作所のコメント
日立製作所法務本部の担当部長である元谷良弘氏は、生成AIを活用したリスク管理や業務効率化が今後重要になると述べ、今回の勉強会に対して感謝の意を示しました。また、AI技術が法律業務においてその判断を支える道具であり続けるべきだと考えています。このように、法務部門でも技術の利活用が、より良い判断と意思決定に繋がると期待されているのです。
MNTSQ株式会社について
MNTSQは「すべての合意をフェアにする」というビジョンを掲げ、2018年に設立されました。国内のトップローファームと提携し、AI技術を用いた企業向けサービスを展開しています。これにより、契約や合意形成のプロセスをよりスムーズで公正にすることを目指しています。
結論
今回の日立製作所での勉強会は、生成AIの持つ可能性と課題に対し、参加者が新たな知見を得る貴重な機会となりました。このような取り組みが、今後の法務業務の発展にどのように寄与するかが期待されます。