2025年の転職活動実態調査：意外なスタンスと期待感の変化

株式会社マイナビが発表した「マイナビ転職活動実態調査（2025年）」では、最近1年間に転職活動を行った1500名の行動や意識が明らかになりました。調査対象は、実際に転職した人（500名）と転職活動をしたが転職しなかった人（1000名）に分かれています。結果として、転職に対する意識やスタンスに驚くべき傾向が見られました。

転職活動のスタンス

調査によると、約三割の人が「必ず転職したい」と感じている一方で、56.9％は「いい会社が見つかれば転職したい」と回答しました。これは、転職の緊急性を感じていない人が多いことを示しています。実際に転職した人の中でこのスタンスを持つ割合は、42.2％と比較的少数であるのに対し、転職しなかった人は64.3％にも上りました。これにより、転職活動においては、現状からの脱却や新たな機会を求める人々の姿が浮かび上がります。

必要性が低い保守的なスタンスを選んだ人たちは、「現状に満足しているが、より良い条件があれば転職を検討したい」と考える傾向がありました。このような人々は、転職先を慎重に選んでいます。

転職活動の期間

次に、転職活動をどの程度の期間で行うつもりなのかを尋ねたところ、最も多かったのは「3カ月以上半年未満（28.1％）」で、続いて「3カ月未満（26.4％）」でした。「1年以上」を選択した人も22.7％に上り、じっくりと時間をかけて活動をする傾向が窺えます。これは、転職活動の意識や方法が多様化していることを表しています。ゆとりを持ったアプローチが増えつつある印象を与えます。

転職理由と重視点

転職活動を始める理由として最も多かったのは「給与が低かった（29.2％）」という結果でした。次いで「仕事内容に不満があった（25.1％）」、「会社の将来に不安があった（23.5％）」が続きます。これは、収入や労働条件が転職活動の重要な要素であることを示唆しています。また、候補先を選ぶ際の重視ポイントとして、76.8％の人が「納得できる収入」を挙げ、同様に「希望するエリア」「休日や残業時間の適正化」が続きました。転職希望者は、待遇面をとても重要視していることがうかがえます。

転職への期待感

調査の中で、74.4％の人が「転職することでキャリアが前進する」と考えていると回答しました。これは、転職活動に対する抵抗感が低く、むしろ期待感を持っていることが強調されています。約62.8％の人が、転職をすることにためらいを感じていないと答え、キャリアの発展につながる転職に対するポジティブな姿勢が明らかになりました。

一方で、組織変更に対して不安を感じる人も多数おり、あくまでキャリアの進展を期待しながら活動している様子が読み取れます。トレンドとして、転職が日常的なキャリアの選択肢として受け入れられつつある情勢が見て取れます。