「uwotech」が進化
2022-11-15 16:17:36
魚類養殖の生産管理を革新する「uwotech」発表、東京スタートアップへの道
魚類養殖の未来を変える「uwotech」
魚類養殖業界において、コストの大部分を占めるのがエサ代です。実に年間のコストの60%にあたる1.7億円がエサに消えています。この高額なエサ代の負担は、ウクライナ情勢による原油価格の高騰や円安の影響でますます増加する一方です。経営戦略を立てる上で、エサの最適化は避けては通れない課題となっています。
さらに、魚は水中に生息しているため、個体ごとの管理が難しく、飼育記録の管理方法は未だに紙によるものが多く、分析や活用が進んでいない生産者が数多く存在しています。このような状況を受けて、私たちのプロジェクトは魚類養殖における生産管理の革新を目指しています。
養殖管理の複雑さ
魚の管理は、牛や豚のように個々の個体を識別して飼育履歴を追うことができないため、群れでの管理が必須となります。そのため、給餌や薬の投与は群れ全体に行われ、成長には個体差が表れます。そうした差を克服するには、魚の移動や飼育環境の調整が必要ですが、これはかなり手間のかかる作業で、生産者にとって負担となります。
魚類養殖が抱えるこのような複雑な課題に対処するために、私たちは次世代型タブレット養殖管理システム「uwotech」を開発しました。「uwotech」は、分養や統合などの高度なデータ処理を実現し、個々の種苗の生産性を可視化することができるのです。
環境への取り組みとデータ連携
さらに中長期的には、養殖に関する様々なデータを一元的に集約し、各種ICT機器との連携を図ったプラットフォームサービスを目指しています。これにより、生産者はデータを的確に分析し、根拠に基づいた意思決定ができるようになるでしょう。さらに、業界の専門家や現場の生産者との連携を強化し、彼らが直面するコスト削減と海洋環境への負荷軽減を実現していきます。
セミファイナリストとしての意義
この度、「uwotech」が「TOKYO STARTUP GATEWAY 2022」のセミファイナリストに選ばれたことを、大変嬉しく思います。日本は豊かな海洋資源に恵まれた国でありながら、漁業従事者の減少や高齢化が進んでいます。私の娘が大きくなった時にも、美味しい魚を日常的に食べられる環境を残すために、今後も全力でサービスの開発を進めていきます。
将来のビジョン
私たちAquacraft株式会社は、魚類養殖のDXを進めるソフトウェア開発会社であり、豊かな水産資源と魚食文化を次世代に残すことを目指しています。単なる機械化ではなく、新しい価値やソリューションを創出し、未来の養殖業を生産者と共に形作っていくことが私たちの使命です。データを活用し、得た知見を生産者に還元することで、業界全体の効率化と持続可能性を向上させていく所存です。私たちは、魚類養殖の生産管理を根本から革新し、環境への配慮も重要視した新しいサービスを作り上げていきます。これからも生産者の皆様とともに、このプロジェクトを推進していきます。
会社情報
- 会社名
-
Aquacraft株式会社
- 住所
- 東京都東大和市立野1-18-16にしきビル203
- 電話番号
-
080-8163-0092