飛鳥資料館が登録
2025-07-18 18:15:54

奈良文化財研究所飛鳥資料館が登録有形文化財に認定へ

奈良文化財研究所飛鳥資料館が登録有形文化財に



奈良文化財研究所の飛鳥資料館本館とその売札所が、令和7年(2025年)7月18日、文化審議会から文部科学大臣に対して登録有形文化財として登録されるよう答申されました。これは、官報における告示を待つこととなりますが、正式に登録されるのは本年秋頃の見込みです。日本の文化財機関において、この登録は重要な意味を持ち、飛鳥資料館は奈良文研として初めてこの名誉を授かることになります。

飛鳥資料館の歴史的背景



飛鳥資料館がある明日香村一帯では、高度経済成長期に住宅開発の波が押し寄せていました。この時期、地域の歴史的な文化や風土をどのように保存するかが大きな課題とされ、全国的な「飛鳥保存問題」として報じられることとなりました。この問題は、当時の首相である佐藤栄作や文部大臣である坂田道太らも視察に訪れるなど、社会全体の関心を集めました。

1970年には「飛鳥地方における歴史的風土及び文化財の保存に関する方策」が閣議決定され、飛鳥地域の文化財を保存・活用するための環境整備が進められることとなりました。これにより、昭和50年(1975年)には飛鳥資料館が開館を迎え、2025年には開館50周年を迎えることになります。

建築の概要とデザイン



飛鳥資料館本館は1974年に、売札所は1975年に完成しました。どちらの建物も、日本の建築界を代表する谷口吉郎が設計を担当しました。本館は鉄筋コンクリート造で、地上1階・地下1階、伝統的な切妻造の屋根と桟瓦葺きが特徴です。また、広い白壁に縦長窓が整然と並ぶ外観が印象的でありながら、木の要素も見られるなど、和風のモダンデザインが調和しています。

売札所も、本館と同様に鉄筋コンクリート造で平屋建て。切妻造の屋根が強調された設計は、観覧者に古都と調和する美しさを提供しています。このように、本館と売札所のデザインは、飛鳥地域の歴史的風土と見事に調和しており、谷口吉郎の建築の一端を示す貴重な作品です。

文化財としての位置づけ



今回の登録によって、飛鳥資料館は日本の文化財の保存と発信に貢献する重要な施設であることが改めて認識されます。これからの日本において、文化財の保存がどのように行われ、次世代に引き継がれていくのかが注目されます。飛鳥資料館は、その役割を果たしていくために、訪れる人々に歴史と文化を紹介し、楽しんでもらうための工夫を凝らすことでしょう。

今後もこの地で、飛鳥資料館が果たす役割はますます重要なものとなっていくことが期待されています。


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