アイリスグループは、2025年度の新卒入社式を宮城県仙台市にあるアイリス卸町ビルで開催した。今年度、391名の新たな仲間を迎えた。内訳は、大学や高専、専門学校、短大を卒業した283名と高校卒業の108名となっている。これにより、企業としての成長を半ば担う新しい人材が加わった。
企業の成長戦略として、2024年度には久々に増収増益を達成し、2025年度の売上高は8,650億円を目指している。そのためには、BtoB事業の強化や省エネ、さらには人手不足の解決策を模索する必要がある。新年度に向け、生産・供給体制の強化や、食品事業やヘルスケア事業においても成長を狙い、業務用清掃ロボットの開発職やLED照明の制御設計職、フィールドエンジニア職、データプランナー職など、新しいポジションも新設された。
特に注目すべきは、新卒社員に対する厚待遇である。6年連続となる初任給の引き上げが実施され、さらには社員の経済的負担を軽減するための施策として、公式通販サイト「アイリスプラザ」で使用できる5万円分のポイント付与が始まった。また、入社前の工場見学や懇親会を通じて、早期のミスマッチを防ぐ取り組みも強化された。
会長の大山健太郎氏は、入社式で新たな仲間への期待を込め、社会の変化に適応し続けることの重要性に言及した。地方企業であるアイリスグループは、変化に適応しながらも、幅広い舞台での活躍の場があるとし、新入社員にはポジティブな姿勢で仕事に取り組むよう励ましたという。
また、代表取締役社長の大山晃弘氏も、新卒社員には変化に強い人材になってほしいとクリエイティブな発想を促し、自発的な挑戦を期待していると述べた。日本が迎えている生産年齢人口の減少という厳しい現状において、企業も変化を生き抜くための努力を続けている。
新入社員を代表して内之倉鈴菜さんが答辞を述べ、企業が持つ普遍的な価値「ユーザーイン発想」と「生活者視点」に基づき、時代に沿った進化を求められることの意義を強調した。これから共に働く仲間として、彼女たちの活躍が期待される。新入社員たちは5月から正式に各部署に配属される予定だ。
また、2025年度の給与改定も発表されており、新卒社員の初任給が月額13,000円引き上げられる。これにより、大学卒業者の初任給が242,000円から255,000円に改定される。これらは労働環境の向上と同時に、企業としての中長期的な成長を見据えた施策だ。アイリスグループは、今後も優秀な人材の獲得と育成に力を注ぎ、さらなる発展を目指していく。新入社員たちの今後の活躍が楽しみである。なお、新入社員は全員、まずは全体研修を受ける予定で、スムーズなスタートに向けた準備が進んでいる。