電力・ガス自由化4年、利用者はどう変わった?新電力会社への乗り換えは3割弱、料金プラン変更は5% - マイボイスコム調査
2016年4月の電力自由化、2017年4月のガス自由化から4年以上が経過した。マイボイスコム株式会社が2024年6月に実施した調査では、電力会社やガス会社を変更した経験を持つ人は、それぞれ3割弱と1割強にとどまっていることがわかった。
電力会社は3割弱が変更、新電力会社への乗り換えは28.6%
調査によると、電力会社を変更したことがある人は28.6%で、うち28.6%が大手電力会社から新電力会社へ乗り換えたと回答している。地域別に見ると、関東では4割弱、近畿では3割強が新電力会社へ乗り換えている。一方で、契約会社で料金プランを変更したことがある人は5.3%にとどまっている。
新電力会社への乗り換え理由は「料金の安さ」がトップ
新電力会社利用者の選定理由は、「料金の安さ」が圧倒的に多く、57.1%が「いままでより電気料金が安くなる、安い料金プランがあった」と回答している。「電気料金を節約できる」という理由も34.3%と高い。新電力会社から別の新電力会社へ変更した人では、「ポイント還元率やキャッシュバック、割引特典、節電によるポイント付与などがお得」という理由がさらに増加している。
今後の電力会社契約意向は「大手電力会社」が45.4%と増加
今後の電力会社契約意向では、「大手電力会社と契約したい」が45.4%と、2022年調査と比べて増加している。一方、「大手電力会社以外の電気小売事業者と契約したい」は14.9%で、大手電力会社利用者では約3%、新電力会社利用者では4割強となっている。
ガス会社は1割強が変更、北海道・東北・北陸では変更率が低い
ガス会社については、ガス使用者全体の12.6%が変更したことがあると回答している。電力会社変更経験者では2~3割がガス会社も変更している。地域別では、北海道・東北・北陸では「ガス会社やプランは変更していない」が各90%台と高い。
新規参入都市ガス会社利用者の選定理由は「料金の安さ」
新規参入都市ガス会社利用者の会社選定理由は、「料金の安さ」がトップで、「いままでよりガス料金が安くなる、安い料金プランがあった」が54.5%、「ガス料金を節約できる」が34.6%と、電力会社と同様の結果となっている。
今後のガス会社契約意向は「従来の都市ガス会社」が41.7%とトップ
今後のガス会社契約意向では、「従来の都市ガス会社」が41.7%とトップ。新規参入の都市ガス会社は5.9%で、新規参入の都市ガス会社利用者では6割強、従来の都市ガス会社利用者やLPガス利用者では2~3%となっている。
まとめ:料金の安さやお得なキャンペーンが選択のポイントに
今回の調査結果から、電力・ガス自由化が進んでも、料金の安さやお得なキャンペーンなどが利用者の選択において重要なポイントとなっていることがわかる。特に、新電力会社や新規参入都市ガス会社への乗り換えでは、料金の安さだけでなく、ポイント還元や割引特典など、付加価値が重視されている。
一方で、大手電力会社や従来の都市ガス会社への安心感を求める声も多く、今後、各事業者は料金面だけでなく、顧客のニーズに応えるサービスの充実が求められると言える。