株式会社東陽テクニカは、ポータブル振動校正器用ソフトウェア「9140D」を2024年9月5日に販売開始しました。この製品はアメリカのThe Modal Shop社が新たに開発したもので、既存のポータブル振動校正器「9110D」と併用することで、加速度計や速度計などの振動センサーの校正作業を完全自動化することが可能です。これにより、最短1分で校正作業が完了し、効率的な運用が期待できます。
近年、振動計測の需要は自動車や産業用装置、エネルギー分野を中心に急速に高まっています。特に振動センサーは、その計測の信頼性を確保するために、品質管理が厳しく求められています。このような背景の中、実際の現場では、迅速かつ簡便にセンサーの校正作業を行う必要がありました。そのため、ポータブル振動校正器「9110D」と新開発のソフトウェア「9140D」の組み合わせは、業界において大きな刷新をもたらします。
「9140D」は、PCからポータブル振動校正器「9110D」を制御することを可能にし、あらかじめ定義された周波数ポイントでの校正を自動で実行します。これにより、煩雑な校正プロセスが大幅に効率化されるだけでなく、時間の短縮にもつながります。また、ISO 17025の標準に則った校正証明書も作成できるため、校正データの管理も容易になります。
このソフトウェアは、ICP®(IEPE)型、電荷出力型、差動出力型、ピエゾ抵抗型、静電容量型といった様々なセンサーの校正に対応しており、現場での動作確認や試験前後の即時検証、定期メンテナンスなど、多岐にわたる用途で利用することができます。加えて、最大18時間の動作が可能な大容量バッテリーを内蔵しており、長時間の作業にも対応しています。
東陽テクニカは、ポータブル振動校正器用ソフト「9140D」と振動校正器「9110D」を組み合わせて提供することで、自動車、産業用機器、電力業界の開発業務において効率化とコスト削減を実現していきます。
「9140D」は、ポータブル振動校正器の可能性をさらに広げ、業界内での品質管理や信頼性向上に寄与することでしょう。次世代の振動計測技術の進化に注目が集まっています。これからも新しい技術革新を通して、安全で環境に優しい社会の実現と産業の発展に貢献していきます。