長崎県対馬市での再生プラスチック取引所の設立
再生プラスチックを利用した製品の需要は高まっていますが、その供給はまだまだ追いついていないのが現状です。そんな中、再生プラスチックを扱うオンラインショッピングモール「再生プラスチック取引所」が長崎県対馬市に新たにオープンしました。このサイトは、プラスチックのリサイクルを促進することを目的に、企業間での取引を容易にするものです。
再生プラスチック取引所の概要
「再生プラスチック取引所」は、企業が不要になったプラスチックを無料で出品できるプラットフォームです。出品者には製造過程や倉庫で眠るプラスチック端材が含まれ、これを必要とする企業は希望の材質や色合いのプラスチックを必要なだけ購入できます。この取り組みは、プラスチックの有効活用を進め、無駄の発生を防ぐことを目指しています。
実際の利用にあたっては、無料の会員登録が必要であり、出品できるのはリサイクル素材のみ。バージンプラスチックは取り扱っていない点も特徴です。
起業の背景
運営するHameeは、新たなプラスチック製品を生み出すサービス「ParallelPlastics」を展開しています。このサービスを通じて、再生プラスチック材の入手が難しいという課題を認識しました。近年多くの企業が再生プラスチックを活用するようになっていますが、その供給状況が公開されていないため、企業は必要な素材を探すのに苦労しています。加えて、再活用の方法が見つからずに燃やされてしまうプラスチックも数多く存在します。このような問題点を解決するために、「再生プラスチック取引所」が誕生したのです。
長崎県対馬市の取り組み
長崎県対馬市では、毎年多くの海洋プラスチックが漂着しています。その量は年間で2〜3万立方メートルにも及びますが、回収できているのはその4分の1程度にとどまります。これを受け、「Re:Ocean@TSUSHIMA」という新たな取り組みが始まります。これは、漂着した海洋プラスチックをリサイクルし、ペレットとして製造販売するプロジェクトです。
「Re:Ocean@TSUSHIMA」は、株式会社セイコーインターナショナルが関与しており、海洋ごみの減少に向けた具体的な施策として2024年4月からの販売を予定しています。このプロジェクトでは、回収されたプラスチックを「種類」と「色」に分別し、リペレット化してアウトドアメーカーなどに提供します。このようにしていくことで、対馬の海を清潔に保つことを目指しています。
その他の出品商品の紹介
再生プラスチック取引所では、様々なアイテムも出品されています。例えば、海洋プラスチックをリサイクルしたペレットや、スマホケースの粉砕材などもあります。特に注目を集めているのが、漁業から出るプラスチックごみです。このジャンルでは、株式会社REMAREが手がける漁網再生材があり、漁業ごみをリサイクルして製造されたものです。
また、出品者のHameeは、売れ残った自社製品を粉砕して再利用するスマホケース粉砕材を提供しています。こうした取り組みによって、プラスチックの有効活用を進め、環境負荷を軽減することが狙われています。
会社概要
Hamee株式会社は、1998年に設立され、証券コード3134で取引されています。神奈川県小田原市に本社を置き、スマートフォンアクセサリーの開発・製造事業や、国内外でのEC展開、コスメ事業などを幅広く手がけています。公式ウェブサイトは
こちらからご覧いただけます。
再生プラスチックを通じた環境保護の取組みは、今の時代において非常に重要です。再生プラスチック取引所が新たに設立されたことで、これまで以上に有効活用の道が開かれることを期待しています。