東京大学医学部では、医学生が受ける「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)」教育が話題になっています。この授業は、2021年から始まり、現在では全ての医学生にとっての必修科目となりました。
ダイバーシティとは多様性を指し、インクルージョンはその多様性を受け入れることを意味します。この教育の目的は、医学生が未来の医療従事者として、より良い医療を提供できるように、社会の多様性を理解し、実際の現場で役立てることです。
この背景には、医療における「共同創造」という新しい概念があります。医療従事者が一方的に“授ける”医療から、患者や当事者と共に新しい医療を“共同で創造”していくことが求められています。この考え方が浸透することで、医療文化自体が変わる可能性があるとされています。
本書『東大医学部生が受けているダイバーシティ&インクルージョンの授業「建前」から「納得」へ』は、この教育を体系的に理解するための一助となる書籍です。編集者である笠井清登氏と熊谷晋一郎氏が監修し、医療や支援の現場で活躍する11名の専門家による講義が収録されています。
書中のQRコードを使って講義動画も視聴できますので、実際の内容を体験することも可能です。また、医療だけでなく、看護学、心理学、社会福祉学などの関連分野でも、この教育プログラムが参考にされるでしょう。
以下に本書に収められている講義の一部をご紹介します。
1.
医療者・支援者にD&Iが必要な理由:医療従事者が多様性を理解することの重要性を説明。
2.
共同創造が必要な理由:精神障害に関するスティグマを事例に、どのように患者と共に医療を作っていくべきかを探ります。
3.
当事者のナラティブ: 実際に当事者の声を交えた講義で、現場の理解を深めます。
このような教育を受けることで、医学生は自然と多様な視点を持つ心を育て、医療の質の向上に寄与していくことでしょう。本書は、これからの医療現場に必要な視点を提供し、医療従事者にとっての良き指針となることが期待されています。
**最後に、編者である笠井清登氏は、本書のあとがきで、「当事者と専門家が共に学び、考えることで新たな医療の可能性が開かれる」と述べています。この言葉にこそ、D&I教育の根幹が表れています。
この新しい取り組みにぜひ触れてみてください。医療や教育に関心のある方々にとって、今後の自身の学びや成長に役立つことでしょう。
この授業がどのように医学生たちの未来を変えるのか、ぜひ注目してみてください。