GMOサイバーセキュリティが台湾ITRIと手を組む
GMOインターネットグループの一員であるGMOサイバーセキュリティ byイエラエ株式会社は、台湾の工業技術研究院(ITRI)と2025年2月11日に業務提携の覚書を締結しました。この提携により、主に日本の半導体業界を対象として、サイバーセキュリティ関連のコンサルティング及び認証支援サービスを提供することになります。
提携の目的と重要性
現在、半導体は様々な産業に不可欠な素材として経済と安全保障の両方において重要な役割を担っています。しかし、サイバー攻撃のリスクも高まっており、特に製造工場が攻撃を受けた場合、その影響は計り知れません。昨年1月に発行された国際規格「SEMI E187」は、半導体製造装置の安全性を強化するためのガイドラインとして重要視されています。
ITRI情報通信研究ラボラトリは、SEMI E187の策定に関与しており、その認証評価を行うラボを有していますが、独立性を保つためコンサルティングは行えないという制約があります。ここでGMOサイバーセキュリティが、SEMI E187準拠のコンサルティングを提供することにより、認証取得のプロセスを円滑に進める役割を果たします。
提供されるサービスの内容
GMOサイバーセキュリティが提供予定のサービスは、SEMI E187が定める12の要件に沿ったコンサルティングです。これらの要件は、オペレーティングシステム、ネットワークセキュリティ、エンドポイント保護、そしてセキュリティモニタリングの4つの主要分野に沿っています。
各要件には、以下のような具体的な項目が含まれています:
- - オペレーティングシステム:装置に使用されるOSのセキュリティ要件について。
- - ネットワークセキュリティ:通信の安全性を確保するための対策に関する文書作成。
- - エンドポイント保護:マルウェアや脆弱性への対策。
- - セキュリティモニタリング:安全な運用状況を維持するための監視体制。
これらの要件に対し、GMOサイバーセキュリティは文書や技術的な評価を行い、認証取得に向けたサポートを行なう予定です。
両者の視点
この提携について、ITRIのテクニカルディレクターでありSEMIのサイバーセキュリティ委員会の共著者でもあるAres Cho氏は、「日本市場に重点を置いている」と述べ、この協力関係が半導体サプライチェーンにおける日本製品の安全性を高めることを期待しています。また、GMOサイバーセキュリティの伊藤公祐部長は、早期の認証取得に向けた効率的なサービス提供への意気込みを語りました。
研究機関と企業の役割
ITRIは1973年に設立された台湾の主要な研究開発機関であり、情報通信研究ラボラトリはその中でICT産業の高度化を担当しています。一方、GMOサイバーセキュリティは国内最大のホワイトハッカー集団が集結しており、広範なサイバーセキュリティサービスを提供しています。
この業務提携は、日本の半導体産業の競争力を引き上げるだけでなく、グローバルなサイバーセキュリティ基準の遵守を促進する重要なステップとなるでしょう。今後の展開に注目が集まります。