野洲市における新たな教育連絡ツール『tetoru』
滋賀県の野洲市では、保護者との円滑なコミュニケーションを目的としたデジタルツール「tetoru(テトル)」が小中学校向けに導入されました。この取り組みは、Classi株式会社が提供しており、保護者との連絡がスムーズになるだけでなく、学校現場の業務効率を大きく改善するために設計されています。
導入の背景と選定理由
野洲市では、それまで使われていた連絡ツールの契約が終了した後、新たなシステムの必要性が打ち出されました。従来のメール配信システムには添付ファイル送信の制約があり、紙媒体による配布は多大な時間とコストがかかります。これを受け、教育委員会は学校関係者へのアンケートを実施し、必要な機能やニーズを明確化。最終的に操作性が高く、簡潔なデザインの「tetoru」を選び、自治体連絡機能とともに導入に至りました。
実際の活用方法
「tetoru」が導入されたことで、野洲市の教育委員会から保護者への情報発信が大変便利になりました。具体的には、給食費の通知や災害情報、熱中症に関するアラート、部活動の連絡など、さまざまな重要な情報が直ちに伝達される体制が整いました。学校側でも、欠席連絡や部活動の情報提供、学級閉鎖時の健康確認アンケートといった多様な用途に対応しており、連絡手段としてその役割が際立っています。
導入後の効果
教育委員会によると、「tetoru」の導入によって教職員の業務が軽減され、保護者からも好意的な反響が多く寄せられています。特に教育相談センターからの配信により、相談件数が前年の2倍に増加したことが報告されています。また、給食負担金の通知を郵送ではなくデジタル配信に変更したことで、およそ36万円の郵便費の削減が実現し、印刷作業の負担も軽減されました。
新たな取り組みの展開
「tetoru」の導入により、従来の紙を使った連絡方法から、QRコードやURLを前年比の資料に取り入れた新たなコミュニケーション手法が導入されました。この新しい方法により、保護者から迅速なフィードバックを得ることが可能になり、今後のさらなる業務効率化が期待されます。
将来の展望
今後、野洲市では紙媒体とデジタルツールの特性を活かしながら、学校現場の業務改善と効率化を進めていく計画です。重要な情報が埋没しないよう、配信内容をしっかりと整理し、段階的に紙からデジタルへの移行を目指しています。
tetoruの概要
「tetoru」は、「手と手をとりあう」をテーマに2022年4月にスタートした、学校と保護者をつなぐコミュニケーションツールで、全国の小中学校の約10%にあたる約5,000校にすでに導入されています。このツールは、教育の質向上と業務の効率化を追求して開発されており、学校と保護者間の連絡機能は無料で利用できるほか、全国の教育委員会から保護者への一斉通知機能、さらに令和7年4月からは集金機能も新たに提供される予定です。
自治体連絡機能の特長
- - コスト削減と環境への配慮: 年間数十万枚の印刷物を削減し、コストとCO2排出も減少。
- - 教職員の業務効率化: プリントの配布負担がなくなり、本来の教育活動に集中できるように。
- - 迅速かつ確実な情報共有: 市内の小中学校全体に直接情報を届けることができ、緊急時の対応も迅速化。
このように、野洲市の「tetoru」導入の取り組みは、教育環境の改善を目指すだけでなく、地域社会全体にポジティブな影響をもたらすことが期待されています。