ヤマップが提供する新たな救助システムの概要
登山者にとって、安全な登山は大変重要です。株式会社ヤマップ(福岡市)が新たに導入した「遭難者検索システム」は、24時間365日、山岳遭難者を迅速に救助するための新しい取り組みです。このシステムは、登山届協定を結んだ警察や救助機関が遭難者の位置情報を瞬時に検索できることを目的としています。
増加する山岳遭難
近年、日本における山岳遭難の件数は増加の一途をたどっています。令和5年には、3,126件の遭難事故が発生し、これは昭和36年の統計開始以来最多の件数となりました。このため、より迅速で効率的な救助体制の整備が急務とされています。
ヤマップはこれまで、遭難者情報提供依頼フォームを通じて、警察や救助機関に対し、遭難者の位置情報を提供し、捜索活動を支援してきました。しかし、その対応は、主に土日や営業時間外には社員の有志が行っており、業務の負担が増加していました。そこで、より持続可能で効率的な仕組みが求められ、「遭難者検索システム」の導入に至ったのです。
新しいシステムの特徴
本システムは、「登山届協定」を締結した関係機関専用に設計されており、一般ユーザー向けには公開されていません。協定を結ぶことで、ヤマップから専用のアクセス権限を付与され、これにより警察や救助機関は迅速に遭難者の位置情報や移動経路を検索することができるようになります。
具体的には、システムの導入により、捜索活動にかかる時間を大幅に短縮し、救助活動をよりスムーズに行うことが期待されています。山岳地帯では電波が届かないことも多いため、GPSを活用したこのシステムは非常に重要です。
導入の背景と今後の展望
ヤマップは、遭難ZEROプロジェクトを通じて、山岳遭難事故の減少を目指しています。このプロジェクトは、登山者の位置情報に関する連携や、捜索現場で役立つ機能の提供、さらには遭難事故防止に関する啓発活動を行っています。この取り組みは、消防機関や警察、自治体とも連携を強化し、事故による死者数ゼロを目指すものです。
また、従来の「遭難者情報提供依頼フォーム」は2025年3月28日以降、土日祝日および営業時間外の対応を終了するため、確実な情報提供はこのシステムに委ねられます。これは登山者と救助機関との連携をさらに強化するための措置です。
ヤマップの未来
ヤマップは、電波の届かない山の中でもスマートフォンのGPSを活用して登山ルートや現在地を把握できるサービスを提供しています。2025年1月には累計480万ダウンロードを突破し、日本最大級の登山・アウトドアプラットフォームとして成長を続けています。
更に、登山者の安全を守るための取り組みとして、遭難者検索システムを通じて、登山者への安全啓発活動を推進し、遭難事故の減少に寄与していく計画です。今後も、ヤマップは登山文化の発展と、多くの人々の安全な登山生活を支えるために様々なイニシアティブを展開していくことでしょう。
お問い合わせ先
遭難者検索システムの詳細や導入に関する問い合わせは、株式会社ヤマップの遭難ZEROプロジェクトリーダー、矢島夕紀子までご連絡ください。電話:050-5477-8492、メール:
[email protected]。
ヤマップは、山の安全を重視しながら、その技術とサービスを通じて今後も登山者のサポートをしていきます。
公式サイト:
ヤマップ