介護と仕事の両立を支える新たなプラットフォーム「Pastel D」
超高齢社会が進行する日本において、介護が必要な人々と働く人々を支援する新しいプラットフォーム「Pastel D(パステル・ディー)」のサービス提供が始まりました。このプラットフォームは、家族の介護を仕事と両立させるためのサポートを目的としています。日本は2025年には団塊の世代が後期高齢者となり、介護を必要とする高齢者の数が急増することが見込まれています。
高齢化問題に迫る社会的課題
経済産業省の調査によれば、2030年には介護関連の経済損失が9兆円を超えるとされています。また、介護と仕事を両立させているビジネスパーソンは、仕事を介護することによる影響で生産性が約27.5%低下するというデータもあります。こうした現状において、介護を担うビジネスパーソンが孤立しがちであるため、専門的な支援のニーズが高まっています。
特に、一人で抱え込む様々な課題—家庭の状況、キャリアの継続、財政的問題、体力の制約—などを解決するための環境作りが求められています。「Pastel D」は、この複合的な問題に対する創造的な解決策を提供するプラットフォームとして設計されています。
有効なサポートを提供
「Pastel D」では、以下のようなサービスを提供しています:
- - 専門コンシェルジュサービス:介護の専門家が個別にガイダンスを行います。
- - 専門家ネットワークへのアクセス:医療、ソーシャルワーカー、高齢者介護、法律、金融、キャリアなど、様々な分野の専門家との連携を確保しています。
- - 個別相談:各従業員の状況に応じた具体的なアドバイスを提供。
- - オンラインコミュニティ:介護経験者同士が交流し、サポートを受けられる場を設けています。
- - 便利なオンライン相談:Zoomなどを活用したオンラインでの相談が可能です。
メディトリーナ株式会社の代表取締役、和田典子氏は「私たちの取り組みは、介護が必要な方々をサポートするための社会的な仕組みを構築することを目指しています」と述べています。
先行導入の事例と今後の展開
株式会社三十三銀行では、「Pastel D」のサービスを先行導入することを決定しました。社内調査によると、従業員の90%以上が介護に関する不安を抱えており、ここ数年で毎年10名の介護離職者を出している状況です。このような背景から、2025年4月から施行される「育児介護休業法」の改正に対応する一環として、時代に即した柔軟な対応を求める必要がありました。
この先行導入は、従業員の福祉向上と人材確保のための理解ある取り組みとみなされています。
また、今後「Pastel D」は、他の企業や団体への展開を目指しています。他にも問屋さんや商業施設など、多様な業種から利用されることを期待しています。
介護支援の重要性
仕事をしながら介護を行うのは非常に困難で、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかります。「Pastel D」は、個々の状況に基づいた包括的なサポートを提供し、介護と仕事との「両立支援チーム」を構築することをサポートします。
メディトリーナ株式会社の目指す「つながりのケア」に基づき、介護のニーズに応じた適切な情報や支援を提供してまいります。どうぞこのプラットフォームを通じて、介護と仕事の両立に取り組むすべての人々を支援し、介護を必要とする方々が快適に暮らせる社会を共に実現していきましょう。