シナモンAI、PAKDD 2025での成果と新たなAI技術の展望
株式会社シナモンが展開するAI技術の最前線であるシナモンAIが、オーストラリア・シドニーで開催されたデータマイニングの国際会議「PAKDD 2025」において、その最先端の研究成果を発表しました。特に注目されたのは、同社のAIチームが開発した「LLM(大規模言語モデル)のための自動プロンプト選択(APS)」という技術です。この技術は、企業が生成AIを利用する際のプロンプト設計をより効率的に行うための手法として位置付けられています。
自動プロンプト選択技術の特長
シナモンAIのAPSは、様々な利用シーンに柔軟に対応できる「汎用性」と、特定の文脈に合わせた「特異性」を兼ね備えています。この論文で示されているように、ユーザーが提供するテキストやデータに基づき、最適なプロンプトを自動的に選定することで、企業は瞬時に必要な情報を得ることが可能になります。これにより、プロンプト設計にかかる時間とコストが大幅に削減され、業務全体のスピードと安定性が向上することが期待されています。
APSは実用性を評価するためのベンチマークやデータセットにおいて、従来のソリューションを上回る成果を上げています。具体的には、以下の三つのアプローチから成り立っています。
1.
入力データ駆動型クラスタリング
LLMベースのプロンプト生成器を使い、トレーニングデータをクラスタリングし、自動的に候補プロンプトを生成します。
2.
関連性に基づくプロンプト生成
入力データに基づいてプロンプトをランク付けするため、入力-プロンプト-出力のタプルデータセットを組成します。
3.
軽量なランキングモデル
新しく与えられた入力に対しプロンプト評価器がスコアを付け、最適なプロンプトを選択します。
さらなる展望
シナモンAIは今後、今回発表されたAPSをさらに進化させ、少ないデータを用いた「フューショット・インコンテキスト学習」への研究拡張を予定しています。これにより、Q&Aだけでなく、多岐にわたる自然言語処理タスクに適用可能な技術として進化させることを目指しています。
さらに、同社の独自製品である「Super RAG」は、非構造化データに特化したAIプロダクトで、高精度な回答生成を実現します。この技術は、企業が抱える膨大な非構造化データを効率的に解析し、回答精度を向上させるための革新とも言えます。
Super RAGは、決算書や技術情報、社内の規定などの難解な資料を迅速に処理し、専門的な知識を必要としている業務においても簡便かつ効果的なソリューションとなります。APIを通じて容易に導入できるため、企業活動において幅広く活用することが可能です。
企業の未来を支えるAI技術
シナモンAIは、「誰もが新しい未来を描こうと思える、創造あふれる世界を、AIと共に」という理念のもと、引き続きAI技術の革新を進めていく考えです。高精度のドキュメント解析技術と大規模自然言語モデルを融合させ、業務の自動化を一層推進することを目指しています。これにより、企業は競争力を保ちながら未来のビジネスを切り開いていけるでしょう。今後もシナモンAIから目が離せません。