南蛮屏風の展示
2025-03-07 15:24:24

南蛮屏風の高精細複製品が長崎歴史文化博物館に展示決定

南蛮屏風高精細複製品が長崎で一般公開



長崎県に文化財としての重要性を持つ「南蛮屏風」の高精細複製品が寄贈され、2025年3月8日から16日まで長崎歴史文化博物館にて展示されることが決定しました。この取り組みは、キヤノン株式会社と特定非営利活動法人京都文化協会が共同で推進する「綴プロジェクト」の一環として実施されます。

文化の交流と歴史的意義



「南蛮屏風」は、16世紀後半から17世紀初期にかけて制作された作品で、日本とヨーロッパとの交易を描写した一大ビジュアル史です。この屏風には、300人以上の登場人物が描かれており、構図は日本人が交易に訪れた南蛮人を迎える様子を鮮やかに表現しています。絢爛たる波間を行き交う南蛮船と不思議な交易品の数々は、当時の文化の交流を如実に物語っています。

この作品は、長崎の実業家で文化人であった永見徳太郎の旧蔵品であり、彼の研究活動を支えた重要な存在でもあります。南蛮屏風は江戸時代の長崎を象徴する文化財として、地域のアイデンティティに大いに寄与してきました。近年、この貴重な作品は海外のクリーブランド美術館に収蔵されていましたが、満を持しての寄贈が実現したことは感慨もひとしおです。

最新の技術を駆使した複製品



寄贈された高精細複製品は、キヤノンの最先端イメージング技術を元に制作されました。具体的には、フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」でオリジナルを撮影し、独自に開発したカラーマッチングシステムを用いて画像処理を行います。その後、12色の顔料インクのインクジェットプリンターで出力し、京都の伝統工芸士が金箔などを用いて装飾を施します。この工程によって、高い精度でオリジナルに忠実な複製が完成したのです。

長崎歴史文化博物館での展示詳細



展示は長崎歴史文化博物館の一般開放エリアで、2025年3月8日から16日までの間無料で鑑賞することができます。ガラスケースなしの間近での鑑賞が可能なため、多くの方々がこの貴重な文化財を体感できる機会となるでしょう。また展示終了後も、常設展や特別展示、地域連携プログラムを通じて、教育面でも活用が見込まれています。

長崎歴史文化博物館は江戸時代から近代にかけての海外交流に関する資料が豊富に揃う場所で、多くの人々が訪れ、学びの場となっています。なお、常設展の観覧には別途料金が必要で、詳しい展示情報は同館の公式サイトで確認可能です。

故郷への里帰り



「南蛮屏風」の高精細複製品が長崎に戻ることは、永見徳太郎の業績や南蛮貿易の歴史を次世代へと継承していくための大きな一歩です。この展示を通じて、地域の人々が自らの文化的遺産に誇りを持ち、その価値を再認識することを期待しています。

長崎県にふるさとがある皆さんにとって、南蛮屏風は単なる美術品ではなく、郷土の誇りであると同時に、かつての交流の象徴です。ぜひ、この機会にその美しさと歴史に触れてみてください。

詳細情報は、長崎歴史文化博物館の公式サイトをご覧ください。


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会社情報

会社名
キヤノン株式会社
住所
東京都大田区下丸子3-30-2
電話番号
03-3758-2111

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