分散型SNS「マストドン」メディア「マイニュー」誕生秘話と今後の展望
2017年5月、日本のSNSメディアの風景に一石を投じる出来事がありました。それは、分散型SNSプラットフォーム「マストドン」上に構築されたニュースメディア「マイニュー」の誕生です。
この革新的な試みの立役者、フリーマーケターの吉田喜彦氏を直撃。発表会の様子を元に、メディア設立の背景、現状、そして今後の展望について迫ります。
マストドンという選択肢
近年、集中型のSNSプラットフォームへの依存が懸念される中、分散型SNS「マストドン」は、そのオルタナティブとして注目を集めています。個々のサーバー(インスタンス)が独立して存在し、相互運用性を保つマストドンは、中央管理者による検閲リスクが低く、ユーザー主導のコミュニティ形成を促進する特徴があります。
「マイニュー」は、このマストドンの特性を活かし、既存メディアとは異なる情報発信を目指しました。発表会では、日本のマストドン利用状況に関するデータも公開され、その潜在的な可能性が示唆されました。
「マイニュー」設立の背景
吉田氏は、Googleアナリティクス公式コミュニティアンサリストとして高いスキルを有し、著書「Mastodonとは:脅威の分散型SNS」も出版しているマストドン研究の第一人者でもあります。そんな彼が「マイニュー」を立ち上げた背景には、従来のメディアでは実現しにくい情報発信のあり方への模索があったと推察されます。
発表会では、アクセス状況の報告も行われ、順調なスタートを切ったことが伺えます。これは、マストドンユーザーからの支持と、新たなメディアへの期待の高さを反映していると言えるでしょう。
今後の展望と課題
「マイニュー」は、まだ生まれたばかりのメディアです。今後、ユーザー数の増加、情報発信力の強化、そしてマストドンコミュニティとの連携強化が課題となります。しかし、分散型SNSという新たな可能性を秘めたプラットフォームを基盤とする「マイニュー」の未来は、明るいものと言えるでしょう。
吉田氏の今後の活動にも注目が集まります。彼は、立教大学非常勤講師としての経験も活かしながら、マストドンという革新的なプラットフォームの可能性を社会に広く伝える役割を担っていくことでしょう。
まとめ
「マイニュー」の誕生は、日本のメディア業界に新たな風を吹き込む出来事でした。分散型SNS「マストドン」の可能性を示しただけでなく、情報発信のあり方について改めて考えるきっかけを与えてくれました。今後、「マイニュー」がどのように発展していくのか、そしてマストドンがどのような役割を果たしていくのか、引き続き注視していく必要があります。
取材後記: 発表会は池袋の落ち着いた雰囲気のコワーキングスペースで開催され、参加者は熱心に吉田氏の説明に耳を傾けていました。質疑応答の時間には、マストドンの将来性や「マイニュー」の運営方法について活発な意見交換が行われ、その盛り上がりは、この新しいメディアへの期待の大きさを物語っていました。